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先月10月7日に行政許認可を得て劇場経営を始めてから2ヶ月が経ち、オープン記念の4作品を昨日無事終了いたしました。
ご来館いただきました皆さまには心より感謝申し上げます。

『漁港口の映画館 シネマポスト』と名付けて今どき駐車場も設置できず、大量広告を打つ事もなく、主としてインターネット・SNSと口コミによる認知度を軸に、作品の力と当館独特のホスピタリティを信じて、歩を進めてきました。
想定外の気付かなかった点も間々出てきます。そこは改善に努めて次回上映作公開前までには整えてという具合です。

そうした中、シネマポストとしては一番大きい広告に値する記事がこのたび登場しました。
『市報しものせき2023年12月号』“しもまちキラリ”のコーナー見開き2ページで私自身を取り上げていただきました。

“しもまちキラリ”該当ページは以下になります。

やはり下関の人にこの場所を知って欲しいという思いはあります。
前回のnoteで大都市と地方のありようを少し述べましたが、芸術文化発信が出来ているかいないかで案外居住根拠にする人は私は実のところ少なくないと思っています。
具体的に名前を挙げますが、私の母の実家がある静岡県富士宮市は私の第二の故郷のような感覚があります。小さい頃から何度となく訪れては、富士山を毎日拝観できる本当に風光明媚な場所です。
小学中学時分はほぼほぼ夏休みの長期間、富士宮に母に連れられて訪れていた所為で町の地理にも何となく明るくなっていきます。
そこで私は映画館が有るかどうか探しました。富士宮駅から比較的近い距離の路地に当時のイメージとして、食料品店のような構えの古い感じではありましたが映画館がありました。
確か東宝系の大きな作品がかかっていた記憶があります。
その瞬間、少年時代の私は何を思ったか…映画館のある町なら引っ越してきても良いかもしれないと妙な判断基準が過ぎりました。今はその映画館も無くなり、富士宮市にはイオンシネマが唯一の映画館として存在しています。
確かに配信で気軽に観れる便利な時代にあっても私は町に映画館はあって欲しいと思います。
20万人規模の人口がある行政地域を中核市または準政令指定都市とも言いますが、下関市は駅前ショッピングモールのシーモール内に下関東宝スカラ座が廃館となってから数年間、映画館の無い時代がありました。当時中核市で映画館の無い行政地域は下関市だけでした。
その後、シネマサンシャイン下関の登場まで時間は要したものの、不名誉な記録が解消されて良かったと思いました。

そうして考えると、少年時代の自分がまさに蘇ります。
こんなところに映画館が…シネマポストは偶然に遭遇してしまった映画館として子供の心象風景に残る、願わくば足を踏み入れる勇気をもってもらえると尚良いなとは欲張りかもしれませんが、そんな町に息づく拠点になれたらと感じています。

【シネマポスト次回作品紹介】
『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』
12月16日(土)〜12月22日(金)公開
フランスの至宝・イザベル・ユペールが主演を務め、フランスの原子力会社の労働組合代表が国家的スキャンダルに巻き込まれていく姿を、実話を基に描いた社会派サスペンス。


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