これから、"韓国映画"、を観る。 /映画編#6


今回を起点に《これからシリーズ》と題した、超ビギナー向けの映画紹介シリーズを始めます。
サブスクで映画が飽和している現代、どれから観たらいいかさっぱりわからない!
立ち往生してしまうあなたへ、指針を授けるシリーズになります。




●韓国映画雑感


韓国映画を超絶ざっくり分類すると以下のようになります。

1. 賞レースもの
2. 感動もの
3. 暴力もの

まず賞レースもの。身も蓋もない言い方ですが、欧州のアートフィルム(物語が抽象的で映像へのこだわりが強い作品)に似た作品たちです。国内外の賞レースで勝つことを視野に入れた作品で、韓国では多くの場合社会批判要素が味付けされます。なお体制批判要素は韓国の歴史と不可分で、日本の映画事情とはだいぶ異なります。(テーマから外れるためここでは割愛しますが、興味を持った方は調べてみてください。)

次は感動もの。いわゆるハートフルな、泣かせにくる系の作品たち。小説原作ものも多く、時代背景と絡ませてきます。日本の場合、感動ものはティーン向けマンガ原作ものと接続されますが、韓国では家庭を持つ世代に向けて製作されます。

最後は暴力もの。韓国はジャンル映画も昔から人気。ヤクザものやゾンビものが、この暴力ものに分類されます。笑えるグロさもありますが、大体は痛くなるグロ。土着信仰等の宗教テーマを取り入れたオカルトものも、このサブジャンルのひとつと言えるでしょう。



●韓国映画おすすめ3選


 ○「パラサイト 半地下の家族」(netflix, amazon prime)


2019年に公開され国内外で高い評価を受けた傑作映画です。現代韓国映画を牽引するポン・ジュノ監督の最新作で、韓国の貧困格差問題がクロースアップされます。最新のVFXがアクションシーンでない、普通の情景描写で駆使された点も見逃せません。微グロです。
ざっくり分類だと1番に該当します。気に入った方はポン・ジュノ監督の過去作(「グエムル」,「母なる証明」など)を観てみましょう。
賞レースもので観ていい作品となると「はちどり」「バーニング」の2つがおすすめ。primeとnetflixで観れます。


 

 ○「タクシー運転手 約束は海を越えて」(netflix, amazon prime)

2018年公開の感動もの。80年代に勃発した光州事件を題材に、タクシー運転手の主人公と家族そして友人の絆が描かれます。「パラサイト」にもお父さん役で出演していたソン・ガンホが主役。普通に勉強になります。他の有名どころだと「私の頭の中の消しゴム」は頻繁に言及されますね。


 

 ○「哭声(コクソン)」(amazon prime)


2017年公開の暴力/オカルトもの。のどかな山村にやってきた謎の男、そして多発する凶悪事件。警察官の主人公は次第にあちら側へ足を踏み入れます。
いちようホラーでジワジワ怖い演出はあるものの、幽霊ドーン!!!弦キャーン!!!はないので安心してください。越してきたヤベー男を國村隼が演じており、もう死ぬほど不気味なので、観ましょう。
暴力もので他に挙げると「犯罪都市」「オールドボーイ」あたりがおすすめ。ゾンビものは「新感染」、オカルトものなら「The Witch」は観ていいやつです。



ではまた、次の《これから》でお会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?