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自然資源管理の研究をする某国研の助教。環境問題・気候変動関連記事のまとめ、統計学の学習…

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自然資源管理の研究をする某国研の助教。環境問題・気候変動関連記事のまとめ、統計学の学習、読書感想を書いていきます。Twitterでは書ききれなかったことを書く場所としてnoteを利用しています。現職の前はアメリカでPh.D.&PDをやっていました。

最近の記事

不安を感じた時には自分のことを考えるのをいったんやめてみる

あなたは不安や不幸のどん底にいるとき、どうしますか?私は自分のことばかり考えてしまいます。考えるだけで行動しないと、不安や恐怖は雪崩のように押し寄せてくるんです。そんなときに私が発見した救世主が、自分以外のことに意識を向けることです。 自分以外のことに意識を向けると、不安や恐怖から解放される感じがします。でもそれが簡単にできたら苦労しないですよね。自分のこととすぐに関連付けてしまうから、なかなか気持ちが切り替わらないんです。そこで私が試してみたのが、歩くことです。歩くという

    • 文章を書く行為を習慣化するためにはどうすればいい?-2 4W1Hに分解して考える

      引き続き書くという行為を習慣化する方法について書いていく。前回の記事でも書いた通り、習慣化のためのポイントは四つの要素からなる。 (1)決まった場所 (2)時間 (3)細かい活動 について (4)活動の目的 に見合った活動の質と量を設定することである。 これは前回書いた内容からの引用なのだが、改めて見返してみるとちょっとわかりにくいので、再度習慣化のポイントを整理してみると要するに 「4W1Hを埋めよ」ということになる。言い換えれば なんのために、何がしたくて文章を書くのか

      • 文章を書く行為を習慣化するためにはどうすればいい?

        月曜日の夜、経堂駅のスターバックスカフェでMacを開いた。10代の頃は「そんなスノッブな場所じゃない」と馬鹿にしていたが、人生の時間の沈殿とデカフェラテで浪費できる経済的自由が、若い自分だったら犯罪行為とみなしたであろう滑稽な行動を許したのだろうか。 このカフェに期待したのは、ノートを取るきっかけになることだった。こんな場所で文章が書ければいいのだが、今の僕にはその覚悟がない。読み進める前に、まずは身近なところから。それは、書くことを習慣化するための戦略に他なりません。自分

        • 自分というのは常に一貫性をもってるように思いなし勝ちだけど、なにかを忘れなにかを加え常に生成流転しながら今の自分を形作っている。そういう意味では自己の同一性というのは自明なものではないよな。

        不安を感じた時には自分のことを考えるのをいったんやめてみる

        • 文章を書く行為を習慣化するためにはどうすればいい?-2 4W1Hに分解して考える

        • 文章を書く行為を習慣化するためにはどうすればいい?

        • 自分というのは常に一貫性をもってるように思いなし勝ちだけど、なにかを忘れなにかを加え常に生成流転しながら今の自分を形作っている。そういう意味では自己の同一性というのは自明なものではないよな。

          幸福を遠ざけるのは孤独感であって孤独ではない ジョン・カシオポ著「孤独の科学」読書感想文−2

          孤独感と孤独について孤独とは客観的な状態 孤独とは何か、と問われれば、もっとも広義の解釈は「一人でいること」となると思う。 もう少し細かく定義をつけるならば、「他者との物理的・精神的な関係性が希薄であること」となるだろう。 ここで重要なのは孤独というのが定量的に評価可能な客観的な状態であるということだ。たとえば友達の数とか、仕事での同僚との関係の深さ、家族との親密さ、地域コミュニティーへの参加度合い、などなどの量的な変数によって孤独かどうかを評価する。なので孤独の定義それ自

          幸福を遠ざけるのは孤独感であって孤独ではない ジョン・カシオポ著「孤独の科学」読書感想文−2

          孤独だからコミュ障になる、ただし逆は然りにあらず ジョン・カシオポ著「孤独の科学」読書感想文−1

          孤独でなぜ悪い?「君って孤独だね」 そんなふうに人から言われたら、自分はこう答えてきた(少なくともこの本を読むまでは)。 「孤独で何が悪いの?孤独だからこそできることもあるし、何より自分は孤独を望んでいるんだ!」 しかし本書は上記のような自分の疑問に対してはっきりとした回答を与えてくれる。孤独がいけないのは、 孤独はあなたに対しては継続的に生存の危機を意識させ、 あなたを他者を脅威と感じるように仕向け、 自己破壊的な行動へとあなたを誘なう からである。もちろん自己破壊

          孤独だからコミュ障になる、ただし逆は然りにあらず ジョン・カシオポ著「孤独の科学」読書感想文−1

          読書感想 前野隆司ー幸せな孤独 「幸福学博士」が教える「孤独」を幸せに変える方法ー

          孤独感が追いかけてくる最近、「自分はなんて孤独なんだ」と思うことが多い。 街ゆくカップルを見て羨ましく思ったり、一人で食事をしているときに自分はなんてひとりぼっちなのだろうと思ったり、友達がいれば旅行も楽しく出かけられるのになぁと思ったり。 なんにせよ日常の中で他者と自分を引き比べて孤独を感じている。孤独を感じているときに生起する感情は自己否定、屈辱感、不安感、無力感といった類のものだ。どの感情も1秒でも早く自分の前から消え去ってほしいものだから、孤独を感じたらすぐにそれを消

          読書感想 前野隆司ー幸せな孤独 「幸福学博士」が教える「孤独」を幸せに変える方法ー

          夏目漱石「三四郎」の感想

          この小説は二つの種類の人間に強い共感を与える。一つは20才前後で将来を案じ始めた大学生。そしてもう一つは、20才前後に抱いていた自己の前途に対する果てしない希望を失いつつある30才前後の人間。自分は後者に属す故、回顧的な感傷に浸りつつこの小説を読んでいる。 三つの世界三四郎のいう三つの世界というのは自分の感じていた生き方を簡潔かつ遺漏なく表現した秀逸な考え方だ。一つ目の世界は彼の地元に代表されるような安穏としたしかし発展性のない世界。二つ目の世界は学問の世界。世間の光が当た

          夏目漱石「三四郎」の感想

          読むということ4:自分はあまり小説の世界に入り込むことができないが故に、自分と境遇のにた人物が出てくる小説以外には興味が湧かないのだろう。そう考えれば外国の小説に強く惹かれたことがないのも合点がいく。

          読むということ4:自分はあまり小説の世界に入り込むことができないが故に、自分と境遇のにた人物が出てくる小説以外には興味が湧かないのだろう。そう考えれば外国の小説に強く惹かれたことがないのも合点がいく。

          読むということ3:小説を読むということは、今の自分の身体性を脱して、全く違う世界へと自分の意識をジャンプさせることができる。言い換えれば「他者の人生を生きる」ということが仮想的なかたちにせよ可能になる。ただし自分はなかなかにそこまで入り込むことができない。

          読むということ3:小説を読むということは、今の自分の身体性を脱して、全く違う世界へと自分の意識をジャンプさせることができる。言い換えれば「他者の人生を生きる」ということが仮想的なかたちにせよ可能になる。ただし自分はなかなかにそこまで入り込むことができない。

          読むということ2:それでも自分の個を超えたテーマを扱った文章だって関心を持って読める。これは何故なのだろう?自分には関係ないように見えるけど、政治・経済・歴史を扱った本は自分が最も好んで読むジャンルだ。

          読むということ2:それでも自分の個を超えたテーマを扱った文章だって関心を持って読める。これは何故なのだろう?自分には関係ないように見えるけど、政治・経済・歴史を扱った本は自分が最も好んで読むジャンルだ。

          読むということ:読んでいて楽しい本というのは、往々にして自分の人生の物差しとなるような本。本の中で展開される物語と自分の人生との間に何らかのリンクが見出せたとき、それは自分の個に根ざしたものになる。逆にそれがないことには読書はあくまでも情報収集にしかならない。

          読むということ:読んでいて楽しい本というのは、往々にして自分の人生の物差しとなるような本。本の中で展開される物語と自分の人生との間に何らかのリンクが見出せたとき、それは自分の個に根ざしたものになる。逆にそれがないことには読書はあくまでも情報収集にしかならない。

          バルガス・リョサ「楽園への道」感想2: ゴーギャンの話は現代から見ると西洋至上主義的な当時の西洋人の意識が反映されている。作者にその意図がないことは間違いないが、記述自体がタヒチの人を「未開人」とするなど差別的なものになっている。

          バルガス・リョサ「楽園への道」感想2: ゴーギャンの話は現代から見ると西洋至上主義的な当時の西洋人の意識が反映されている。作者にその意図がないことは間違いないが、記述自体がタヒチの人を「未開人」とするなど差別的なものになっている。

          バルガス・リョサ「楽園への道」感想:フローラ・トリスタンが戦っていた課題は、労働条件の改善、女性の地位向上、格差の是正など今日的な問題ばかり。もちろん19世紀前半とは状況は異なるが、横柄な企業家や疲弊し切って現状を省みる余裕もない労働者たちの描写はびっくりするほど現代的。

          バルガス・リョサ「楽園への道」感想:フローラ・トリスタンが戦っていた課題は、労働条件の改善、女性の地位向上、格差の是正など今日的な問題ばかり。もちろん19世紀前半とは状況は異なるが、横柄な企業家や疲弊し切って現状を省みる余裕もない労働者たちの描写はびっくりするほど現代的。

          書くということ6:ただしパソコン書きでもすらすらと自己検閲をかけずにかけるものはある。それが短文だ。この文章もそうだが、短文であればそのクオリティを気にすることなく、雑文をどんどん書き並べることができる。自分の悪い完璧主義が発動して、手が止まってしまうこともない。これも謎だ

          書くということ6:ただしパソコン書きでもすらすらと自己検閲をかけずにかけるものはある。それが短文だ。この文章もそうだが、短文であればそのクオリティを気にすることなく、雑文をどんどん書き並べることができる。自分の悪い完璧主義が発動して、手が止まってしまうこともない。これも謎だ

          書くということ5:手書きはパソコン書きと比べてスピードが遅いので、脳内から繰り出される思考を一つ一つ書くだけで精一杯になってしまうからではないか。パソコンの場合は、書いてる側から自己検閲がかかってしまいたとえ非公開の文章でも書くのが億劫になってしまうことがあるから不思議だ。

          書くということ5:手書きはパソコン書きと比べてスピードが遅いので、脳内から繰り出される思考を一つ一つ書くだけで精一杯になってしまうからではないか。パソコンの場合は、書いてる側から自己検閲がかかってしまいたとえ非公開の文章でも書くのが億劫になってしまうことがあるから不思議だ。