『この世界の片隅に』上映記念スペシャルトークイベント
シネマネコでの『この世界の片隅に』上映初日、本作の脚本・監督を務められた片淵須直監督をお呼びし、トークイベントを開催しました!
予約開始からあっという間に完売してしまった本イベント。作品とトークイベントの両方から、片淵監督の作品に込められた想いに触れられたお時間となりました。今回は、そんなトークイベントの様子を一部ご紹介します。
戦時中の街並みをそのまま再現
本作の大きな見どころの一つであるこだわりの限りを尽くした描写の数々は、トークイベントでも話題の中心に。
映画の舞台となった広島市や呉市の街並みは、当時実際にあった建物を忠実に再現し、道の名称も当時のものが採用されています。また原爆が落ちた日の気温から雲の形に至るまで、残っている記録をもとに描かれています。
その地に赴き、実際に街を歩き、資料を調べる。アニメーション制作に取りかかるまでに、途方もない時間を費やしているのです!
自力で調べたからこそ見えてきたものがある
本作の制作が決定したものの、片淵監督が『この世界の片隅に』原作者であるこうの史代先生とお会いするまでに時間がかかったと仰っていました。そのため、映画制作のための資料集めや現場の調査などは独自に始められていたそうです。
後にこうの先生から聞くお話と監督独自がおこなった下調べ。ふたつが組み合わさって主人公すずが生き抜く世界は映し出されているのです。
「ひとつずつ自分で調べたプロセスがあったからこそ、自分の心の中にある街に戻ってきたという印象がある。膨大な量の下調べは苦にならず、楽しく生き甲斐になった。」
当時を振り返りながら語られた、片淵監督らしいお言葉も印象的でした。
わずか30分ほどのトークイベントは、『この世界の片隅で』の裏側、もうひとつの「片隅」を垣間見たようなひと時に。
「すずさんという女性はいろんなことをよくわかっていない。そんな彼女が戦争を潜り抜けていくからこそ、私たちの経験のない戦争を映し出すことができる。」
原作者こうの史代先生のお言葉のように、ちょっぴり抜けていておっとりした女性・すずの存在は、戦争を知る手段が限られている今だからこそ、私たちの感覚にすっと馴染み、深い共感を呼び覚ますのではないでしょうか。
上映作品の監督をお呼びした初めてのトークイベント。
蒸し暑い8月が巡ってくる度に、日本を想うことのできる素晴らしい作品について、じっくりお話を伺うことができました。
快く依頼を承諾してくださった片淵監督にスタッフ一同御礼申し上げます。また、新型コロナウイルスの感染対策から、さまざまな規制を設けた中での実施にも関わらず、ご協力頂きましたイベントにご参加いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
感染状況に配慮しながら、参加者のみなさまが楽しめるイベントを企画して参りますので、これからもシネマネコをよろしくお願いいたします!
シネマネコ 広報部
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©こうの史代・双葉社、「この世界の片隅に」製作委員会