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これはもう事件です!4時間まるごとホドロフスキーナイト@DOMMUNE

 1993年3月28日に閉館した、大阪の映画好きなら知らない人はいなかったという2本立ての名画座、大毎地下劇場。私が初めてホドロフスキーに出会ったのは、まさにこの大毎地下劇場のクロージング上映特集だった。いまだにトラウマ映画となっているアルハンドロ・ホドロフスキー監督の『サンタサングレ 聖なる血』。映画好きではあるが、まだハリウッド映画が中心だった私にとって、この物語のビジュアルも展開もどれだけ衝撃的であったことか。でも、スプラッターと思いきや、究極のラブストーリーで幕を閉じる。そこにも驚いた。そして一番驚いたのは、一緒に観に行った親友があまりにもの怖さに、大毎地下劇場から表に出た瞬間、腰を抜かしてへたり込んでしまったこと。友達が腰を抜かした映画として、私の映画鑑賞の記憶の中で最も強烈な印象を残したのだ。

 それからしばらくホドロフスキーの名前を聞かなかったが、23年ぶりに『リアリティのダンス』を公開、そこから90年の未公開作だった『ホドロフスキーの虹泥棒』から、制作に至らなかった幻のSF傑作の舞台裏を明かすドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』、そして『エンドレス・ポエトリー』と、80代に入ってからも精力的に新作を送り出し、それをアップリンクが配給してくれた。私にとっては、自分自身が多様な映画を観て、少しずつでも蓄積しつつある頃に、それらがギフトのようにやってきたという感じだ。

 本来なら4月に公開予定だった最新作『ホドロフスキーのサイコマジック』は、早々にオンライン公開が決定し、既に鑑賞しているファンも多い中、ついにホドロフスキーが今日、4日夜、DOMMUNEの生ライブに降臨するという!事前にTwitterで募っていた質問にもきっと答えてくれるだろう。ホドロフスキー自身、映画監督ではあるが、パントマイム出身であり、禅や精神世界にも通じ、誰も真似することのできない世界観を持っている。新型コロナ禍で誰もが迷いながら日々を過ごしている今、ホドロフスキーがどんな言葉を放つのか、映画ファンでなくてもまさに必見のプログラム。ちなみに21時から配信の生ライブに先駆け、『リアリティのダンス』公開時に来日、出演したDOMMUNE番組を、19時から特別再配信もするという。これって、19時から23時まで4時間まるごとホドロフスキーじゃないですか!いやあ、これはもう事件といっても過言ではない。初めてホドロフスキー作品に出会ってから27年。こんな日が来るとは。91歳のホドロフスキー監督の生説法、今から心の準備を整えておきます(笑)

https://www.dommune.com/

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