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新しい現実のつくりかた

同じ屋根の下に住むカップルなら必ず通るであろう、
家事分担とお金の問題。

我が家は今まで、家賃を折半。
家事はなんとなく、手が空いている方がやるという風になっていた。

パートナーは外で、わたしは在宅で仕事をしているので、必然的にわたしの家事負担が増える。
家賃は折半しているのに、家事はほとんどわたしがやっていることに日々少しずつ不満がたまっていた。


この現実のどこが不満なんだろうって考える。
冷静に考えると、わたしは家事が全然嫌いじゃなくて、むしろ好きなのだ。
整理整頓好きで、人の家まで片付けたくなる性質。仕事も家でやるのが好き。
だから、家事をやることが不満なんじゃない。

じゃぁこのモヤモヤは何??


わたしをモヤモヤさせていたのは、お金の問題だった。
今自分の時間はたっぷりあるけど、そのぶん月の収入が不安定だ。
収入を安定させるために、例えばワークショップを開いたり、バイトしたりもできるけど、
今しばらくは、自分の内面と向き合うことにエネルギーを使いたい。

だったら、私が家事をやるから、パートナーに家賃を払ってもらえないかな。
そうすれば、わざわざ彼が夜中にお皿洗いする必要もないし、
2人でゆっくりおしゃべりする時間ももっと増える。


さて、ここで私の前には2つの現実が待っていた。

1. 今感じている不満と、自分なりの考えを正直に彼に伝える。

2. 本音を話して気まずくなりたくないから、ガマンして今の現実を続ける。

普通に考えたら前者を選ぶ。
でも、正直な(ネガティブな)気持ちを相手に伝えること、これがまさにわたしの最大の苦手分野だ。


これまでのわたしは、
相手に伝える前から相手の反応を想像して、
相手から批判されたり、拒否されたりするのが怖くて、
気まずくなるのが恥ずかしくて、結局タイミングを逃して、言葉を飲み込んでしまう。

でも、不満は消えないから一人でイライラ、それが相手にも伝わり、日々少しずつ溝が深まっていく。
ようやく吐き出す頃には感情が爆発してしまって、何が不満だったのかすらわからなくなっている。


「わたしのこと全然わかってくれない!、全然わたしのこと見てくれない!」

そうやって見当違いな思い込みをして、相手を嫌いになってしまう。
ガマンすることを選択しているのは他でもない自分自身なのに、
変わらない現実をぜんぶ相手のせいにする。
そんな、とんでもなく、面倒くさい人間だった!

「 不満があるならその時言えばいいじゃん。」
相手を責めた分、そうやって自分のことも嫌いになってしまう。


そのパターンは、家でも学校でも会社でもプライベートでも、今まで嫌になるほど繰り返してきたから、
そろそろ違う選択をしてみようと思った。


頭の中にレジュメを思い浮かべながら、
なるべく感情的にならず、なるべく相手を非難する口調にならないように、
でもちゃんと伝わるように、意識が遠のきそうになるのをぐっとこらえながら、
思ったこと全部伝えた。

一番苦手な深刻モードに突入したときに、「もういい!、気まずいのヤダ!」って諦めそうになったけど、
心にぐっと力を込めて、最後まで話し合った。


結局現実は、パートナーの、
「自分の稼いだお金は2人が楽しく暮らせることに使えたらいいと思う。
無理してるところにお金をまわして、無理をなくしていけばいいよね」っていう
心の広い一言で、あっさり解決した。

1時間くらいかなと思ったら、3時間以上話し合っていた。
「生活から無理をなくす」という彼の言葉がすんなり入ってきた。


現実が変わった!!!

わたしが、自分の意思で、現実を変えた!!!

現実が変わらないのは、パートナーのせいでも社会のせいでも、持って生まれた運のせいでもなかった。
イヤだったらイヤ!って、ムリだったらムリ!って、
「自分から」アクションを起こさない限り、現実はいつまでたっても変わらないんだ!!

そんな単純すぎる仕組みに気づいて、なんだか力が抜けた。

もちろん相手の反応はコントロールできるものじゃないから、予期せぬ反応や摩擦が生じることだってある。
それでも、一人ガマン大会を続けるより、よっぽど意味のある現実を創造できるはずだ。


ネガティブな感情を伝えるのも、そんなに怖くないのかもしれない。
人と対峙するのも、そんなに怖くないのかもしれない。
わたしにも、できるかもしれない。

パートナーをサンドバッグにして思い切って向き合ったら、
ふにゃふにゃだった心が、ちょっぴりガシッとなった。
心の筋トレだなぁと思う。

わたしの、新しい現実が始まる。
わたしたちの、新しい日常が始まる。

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Photo @常念岳 Hotaka Nagano 夏の常念岳。お花も鳥も木も、きっとこの山が好き。自然溢れる優しいお山。友人撮影。

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