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【小説】 嫌われてもいい〜サード③〜

ジョコとケンカした
でていけって言われた佳世子は
明日、仕事だと言った
仕事なんてやめればいい

そう言われたけど、ぐっと我慢して
朝を迎えた
佳世子の帰る実家は祐輔に不同意性交を
見事に不倫に仕立てられたことで
縁は切れていた

朝を迎えた
仕事なんてやめて荷造りをして
出ていけ!
そう言われたものだが
仕事に行くと決めていた佳世子は
まず荷造りをした

そして佳世子は仕事場にいく
楽しい
確かに大変だけれど
自分を必要としてくれて
自分のやらなければならない仕事をする時が
佳世子の1番穏やかな時間になっていた

仕事が終わった
帰路につくのに
足取りが重い
なまりのようだ

家に着くと荷物を
電動自転車に6個乗せた
ちょうど近所で
コロナ禍以来4年ぶりのお祭りの日
どうやって自転車を運転しているんだろうと
周りはみているけど
気にしなかった

ただ、ただ
歩道に家族3人で浴衣を着て歩いている
家族をうらやましいと感じながら
自転車をこいだ
荷物の重さで
電動なのにゆらゆら動く

着いた先は実家だった
行く場所はない
最初は
ホテルにしようかと考えたけど
働きだして
なぜかお金を使わなくなった佳世子にとって
ホテルなんて
もったいないと思った

両親には
ジョコが佳世子の会社に
今までのことを電話すると言っていること
だから、一時期でいいから
明日仕事があるので
寝せてほしいと言っていた

実家に帰ると
イヌのハナが
玄関のガラス窓から見える
匂いや音で佳世子だと
気づいたのだろう

佳世子はハナを触った
優しい優しいイヌだ
ハナを可愛がってあげれずごめん


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