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【小説】 最後の桜を楽しもう

祐は言った。
彼女は何にも関係ないんだからと

それは、佳世子が書いている小説の登場人物?
実在していないのに
なぜ、自分の周りの人と紐づけるのか

時に佳世子は忙しかった
新しい生活を始める
それは希望になんてみちていなかった

どんなに新しい場所に新しいところにうつっても
ジョコと一緒だったら変わらないと気づいた

どうして男運がないんだろう

よく佳世子を観てくれる医師は言った
カヨちゃん
ダメだよ
荷物だけでも取りにいけないの?
今までのDVの被害と録音はちゃんと持っているんだよ

佳世子は、いつもひとりぼっちだった

穏やかな人だと思っていた人は
自分に不利があると
笑っていた

不倫によって不利になったカヨコ
金の亡者のジョコ

親が心配していたのは
佳世子ではなく
佳世子の代償金だった

いつも心配してくれる医師は言った
ねぇ、交通事故の弁護士は保険会社からの紹介?

ううん、昔からお世話になってる弁護士さんだよ
と、佳世子は言った
相談しなさい
医師は言ってくれた

何か前に向きそうな気がした


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