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【小説】 嫌われてもいい⑤

ジョコに離婚したいと佳世子は言った
ジョコには河田と同じ慰謝料を払えばいいと言われた

んー
河田とジョコの示談書の内容を佳世子は知らない
ただ、佳世子は河田と同じ慰謝料を払えば自由になれる
佳世子には夢があった
1人で仕事をして
シンパパと呼ばれる人と結婚したかった
佳世子は子供が好きだから•••。
でも、病気もあり子供は産めない

はるか遠い夢だけど
そんなことを夢みた

ある日佳世子は実家に行った
両親はなぜ佳世子を大学に入れさせてたかで
ケンカしていた

なぜ、過去のこと
すぎたことでケンカしているのだろう
過去はかえれないのだから 
 
佳世子は大学に入ったことを後悔ではなく
入ってよかったと思うし
入っていろんな人と繋がれて幸せだったからだ
勉強はしなかったことは後悔しているけれど

実家に帰ることは無理だなと考えながら
毒親に育てられたと痛感していた

あの時、あの日
何が起きたかわからない
自分の非を認めることで
人は成長し、前に進めると書いてある文章をみつけた

佳世子の非。
それはいったいどんなことなのか
頭の中で一生懸命に考えても
記憶がドカンと抜け落ちていた

河田には関わりたくないと言われたから
聞くこともできないし
のりちゃんたちが言う様に忘れなと言った
その言葉は
佳世子は本当に忘れていた

記憶がつらすぎて
障害がでたと医師に言われたけど
何が起きたか知りたかった

それが河田の都合の良い言葉であっても
佳世子は真実を聞けるなら
わかるなら知りたかった

季節は6月になろうとしていた

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