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【フランスの1月】ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)とソルド(バーゲン)、クリスマスツリーの回収

1.ガレット・デ・ロワ


フランス人の年初に欠かせない行事は、ガレット・デ・ロワ。
正式名称は「Fête de l'Épiphanie」(エピファニー=啓示の祭り)。
家族で、職場で、必ずと言っていいほど祝われる。

キリストが東方の三博士の訪れを受けたことを祝す行事。
1月6日か最初の日曜が本来の日だけれど、実際はその日にこだわりなく、それぞれ1月の都合の良い日に開催する。

主役はアーモンドクリームの入ったパイ菓子。
6~8等分に切り分けられる。
この中に1つだけフェーブ(豆)と呼ばれる小さな陶器の飾りが入れられている。フェーブが当たった人は王あるいは女王と呼ばれ、王冠をかぶる。
みんなでワーッと盛り上がって、パイ菓子を食べる。それだけ。

フェーブは誰に当たるかわからない。
公平を期するために、一番若い人がテーブルの下にもぐり、次に配られる人を指名することもある。

人数が多いといくつものガレット、いくつもの王冠が用意される。

家族では一番小さい子供がテーブルの下にもぐる。
その子供には、テーブルの上のお菓子は見えない。
「次はだれの分?」
「だれだれ~」と子供は答えるけれど、フェーブ入りの部分はその小さい子のお皿に載せられる。上の子はちょっと悔しい思いをしたりする。らしい。

家族だけでなく、職場でも祝われる。

紅茶やコーヒーのほかに、シャンパーニュやシードルなども供されて和やかになる。新年会的雰囲気もありつつ、ケーキを一切れ食べるだけだから、さらっと終わる。

日本でも1月の楽しい行事として、定着するといいのに。
午前最後や午後のコーヒータイムなどに、時間もお金もかけずに、楽しい時間を過ごせる。
ガレットは全員に行きわたるから公平感があり、誰が王様かわくわくする。職場に王冠をかぶった人がいるのも楽しい。
この場合の王様は、無茶ぶりの権利はないのもいい。

2.ソルド(バーゲン)

冬のソルドは毎年1月第2水曜日、朝8時からと決まっている
(夏のソルドは7月第4水曜日から)。
この日にちと時間は国によって制定されている。

最近では会員向けの割引日なども設けられ、ソルドのインパクトは薄れてしまったけれど、それでも50%OFF、レジでさらに10%引きなどあり、開店時間に合わせて買い物をするフランス人は多い。

ソルド初日は、気の利く上司は部下に「今日はランチにゆっくり行ってきていいよ」などと言う。
ランチ時間にバーゲンに行っていいという気配り。
部下はランチ時間を大幅に過ぎた15時過ぎにに帰ってくるかもしれないけれど、この日は特別。普段気持ちよく働いてもらうための工夫だ。

給料が安い一般職の社員にとって、特に子供のいる家庭にとってバーゲンはとても大切。
管理職と一般職は給料格差も大きいので、理解ある上司であると示す良い機会でもある。

今県庁にいるスタッフの一人は、開店と同時に買い物をしたいので遅刻すると前日に言ってきた。「もちろんよ」と快く許可したら、その日のうちに買うものを決めに行くという。試着は前もってというわけだ。
当日は「朝一だったから、目当てのもの全部買えたわ」と、買ったものすべてを(聞いてないのに)教えてくれた。
自分のものばかりでなく、夫や娘のセーターなども入っている。
14時まではレジでさらに’15%引きだったのよと歓喜していた。

こんなに喜んでもらえるなら、たまの遅刻などなんてことない。

3.クリスマス・ツリーの片づけ

フランスでは、クリスマスツリーを片づけるのは、1月に入ってからだ。
新年をツリーと共に祝い、ガレット・デ・ロワのお祝いにもツリーが共にある。

2023年のムーラン市のクリスマス・マーケットが片付けられたのは1月  10日で、街のクリスマス・ツリーやサンタクロースもその後に片付けられた。我が家では、12日。そのころに街の回収が行われるためだ。

ところが、同じヨーロッパでも、お隣りドイツでは年内に片付けるらしい。

ヨーロッパの新年は特に行事もなく寂しいし正月飾りもないから、新年までツリーを飾っておくのかと思っていたのに、国によって違うのだ。

まさかとは思うけれど、1月にツリーを片付けるのは伝統ではなくて、単にフランス人がずぼらだから、だったりして。


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