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キャスティングにやられる『ひねくれ女のボッチ飯』

7月に入り、新しいドラマがぼちぼち始まってきましたが、見るものが色々あって追いつけません。

今期は、開始数分見て、続きが見たいと思わないものは見なくてもいいかなという気にもなっています。

で、本作『ひねくれ女のボッチ飯』ですが、キャストも内容も知らず、大して期待もせず(すみません)、タイトルから行って、前期の『ソロ活女子のススメ』と『孤独のグルメ』を合わせたようなものかな、くらいに思って見たのですが、おもしろいです。

キャスティングにやられる

主人公の川本つぐみ(飯豊まりえ)がバイトするコンビニの店長・三好哲也がダンディ坂野、バイトの先輩・岡林早苗が片桐はいり、そしてSNSのアカウント名ホワイトホースこと白石一馬が柄本時生… クセ強すぎます。

そして、毎回ゲストが登場するようです。以下のとおり。

1話 勝村政信 瑛人 川村エミコ
2話 木下ほうか 小田井涼平
3話 玉袋筋太郎 鳥居みゆき
4話 オカダ・カズチカ
5話 渡辺満里奈 鈴木亜美
6話 市川紗椰 早見沙織(声の出演)
7話 高橋努 田中聡元 小野真弓 山田キヌヲ
8話 峯村リエ

1話と2話を同時放映したようで、Tverにも両方上がっていたので見ましたが、ゲストの扱い方も、別に全面的にフィーチャーするのではなくさりげなく置いてる、みたいな感じで好きです。贅沢。

SNSの批評になっている

人づきあいが苦手で友達もおらず、なんとなく日々を過ごす、ひねくれ女の川本つぐみ(飯豊まりえ)は、「ホワイトホース」という名のインスタグラムのアカウントに出会う。顔も名前もわからないが、よくある料理なのに妙に魅力的な食事の写真と、自分と似ている理不尽な境遇が綴られた投稿に魅力を感じ、「ホワイトホース」を自分の「白馬の王子様」だと信じる。王子と同じものを食べるために、ボッチ飯をするつぐみは、それが日々の楽しみになっていく。王子もまた、つぐみから来る唯一の「いいね」が楽しみになり...。(公式サイトより)

自分でごく短いあらすじを書こうとしたのですが、わかりにくくなりそうだったので公式のをお借りしました。すみません。

ボッチ飯なので“ソロ活”とも言えるでしょうが、ボッチが目的ではないのでちょっと違うし、食べ物は紹介するものの、店がどこにあるかには言及しないので“孤独のグルメ”でもない。

じゃあなんなの、といえば、SNSの立派な批評になっているんじゃないかなと思い至りました。

第1話の写真はカツカレーなのですが、テキストは彼女に振られたことに感傷的になっているような内容で、それをイケボがナレーションする。
写真とテキストはなんの関係もない(のに、唐突にカツカレーが出てくる)し、イケボはアカウント主・白石一馬の声じゃない。
また、テキストの内容は実は失恋などではなく営業の仕事の失敗談で、事実をそのまま載せても…と思った一馬が脚色したもの。
ところが、テキストに現れている内容はつぐみの現状と妙にシンクロしているので、つぐみは導かれるように紹介されている店に向かう…

SNSの投稿とはどういうものか、というのがよく表現されていると思います。

営業の失敗談ということがわかってから、イケボでテキストが読み上げられるの聞いているうちに、おかしくなってきて笑ってしまいました。

男飯をボッチ飯する女

第1話と第2話を見る限り、つぐみはいわゆる男飯(なんて言葉ありましたっけ?)をボッチ飯していく感じみたいですね。

傷ついているはずのホワイトホース氏の、町の中華屋や大衆食堂、という店のセレクトに、つぐみは疑問を持ちますが、普通に営業さんが出先でランチに立ち寄る店ってことですよね。

別に不味そうではないですが、格別美味しそうでもなさそうな、つまりなんていうか、ごく普通の男飯で、現につぐみも特に美味しさをあげつらうこともない。

つまり食事の内容が重要なんじゃない。
女が男飯をボッチ飯することが重要なのです(ほんとか?)。

いや、正直まだよくわかんないのですが、短いし軽い気持ちで見られるし、これは引き続き見て行きます。


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