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ありえない、だけど違和感ゼロ『あのときキスしておけば』(第4話視聴後)

すごいドラマになってきましたね。
初回からおもしろかった本作ですが、どんどんおもしろさが増してます。
今週もおもしろい上にまたほろっと来てしまいました。

足を怪我したオジ巴(井浦新)を桃地(松坂桃李)が背負ったところを、マサオの妻・田中帆奈美(MEGUMI)が発見。オジ巴はマサオとしてマサオの家に帰ることになる。桃地はマサオ宅にいる巴の身を案じつつ、巴の不在に寂しさを感じる。
そんな中、桃地の元に巴の元夫で週刊少年マキシマムの副編集長・高見沢春斗(三浦翔平)が現れる。巴が生きていると確信している高見沢は桃地に蟹釜ジョーの居場所を教えてくれと土下座する。オジ巴が蟹釜ジョーだと訴えても信じてもらえず、桃地も土下座をする羽目に。

桃地とオジ巴に高見沢が加わって、見た目BLの三角関係の様相を呈してきました。
しかし、すごいですよね。
だって、この作品を好きで見ている人おそらく全員が、「これは見た目BLだけどBLじゃない」って思ってますよね。オジ巴はマサオじゃなくて巴だ、って思ってますよね?

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魂が乗り移るとか、まず普通はあり得ないことを、全く違和感なく視聴者が受け入れることができるのはなぜなのでしょう。

まずは、当然ながら、井浦新の演技がうまいということがあげられるでしょう。

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次に、登場人物のキャラクター設定が強固だということ。唯月巴=蟹釜ジョーは、男だろうと女だろうと唯月巴=蟹釜ジョーである、という強さと魅力があります。
私たちはみんな、巴に生きていて欲しいのです。たとえ外側がマサオであっても。

そして、蟹釜ジョーをひたすら尊敬する桃地が、マサオの中に巴の存在を認め、ひたむきな愛とともに信じていることが、私たちの願望を補強します。
そうなるのも、この桃地という青年のキャラクターがリアルで愛らしいからこそだと思います。

初回で唯月巴=蟹釜ジョーの魅力を確立させた麻生久美子は素晴らしいし、その魅力を二人一役で支え増幅した井浦新も見事だし、その二人を一人として相手となる松坂桃李もいいですよね。

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可愛らしい人の可愛らしさはどこからくるのか、真心はどう表せばいいのか、自分を理解してくれない人に理解してもらうにはどうしたらいいのか。

笑わせてくれるだけでなく、そういう深い部分についても考えさせられ、ついでになんだかホロリとさせられる… 毎回そんな感じです。質のいい作品だと思います。

高見沢もオジ巴の存在を理解し、巴への愛を再認識したので、ここから巴を巡って桃地とのバトルが始まるのでしょう。
たぶん笑わせてくれるし、それ以上のものもくれるんじゃないかと期待しちゃいます。

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