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神田古本まつり&神保町ブックフェスティバルに行ってきました

本の街・神保町を最大限楽しめる季節がやってきました。毎年この時期になると古書店が一斉に歩道に棚を並べる神田古本まつり、出版社が出店する神保町ブックフェスティバルを軸に、希少書の展示や講演など様々な催しが行われます。私は以前通りがかったことはあるのですが、買い物のために訪れるのは今回がはじめてでした。

まずは古本売り場へ。すでに多くの人でごった返しており、人の後ろから遠目に棚を眺めていきます。自然科学系に強い書店のブースには牧野富太郎の文字をよく見かけます。あとは江戸の風俗や昭和の雑誌などが多い印象です。

到着して早々に目当ての本を見つけました。これは明治時代の新聞記者・篠田鉱造が明治中期以降に江戸時代の記憶がある人々にインタビューをし、その語りを連載したものを100話まとめて単行本化したもので、名家ではない一般庶民の暮らしをうかがい知ることのできる資料として知られています。特に『幕末百話』は桜田門外の変の際、江戸城に登城予定だった大名の部下が騒ぎの報告を受けて事件が本当にあったのか確認に行くよう命じられる話が有名です。他にも同シリーズで『明治百話』『銀座百話』もあるので見つけ次第入手したいですね。

すずらん通りに出ると、版元が直接ブースを出して新刊を売っていました。置いているのは新刊なのですが、保管中に汚れてしまったものや返本されたり倉庫の隅に眠っていて今更書店に卸さないようなものを割安で売っており、だいたい3割から5割くらいで入手することができます。普段書籍が値引きされることはまずないですし、高価な人文書やあまり書店に並ばない大学出版会の雑誌もあるので場所によっては古本以上に人が集まっていました。私も而立書房のところでギデンズの本を物色したりしていましたが、結局専門書は元値が高いので諦めました。

工事中の三省堂の裏手まで歩いていくと、一際人口密度の高いブースがありました。看板をみると青土社とあります。ユリイカや現代思想で有名な会社です。覗いてみると現代思想の「恋愛の現在」の回が一冊残っていましたが、ワゴンにたどり着くまでに買われてしまいました。仕方なく諦めて他のところを見て回ったのですが、最後に駄目元で戻ってみると補充されていて無事新刊の半額で入手することができました。

ブックフェスティバルは終わってしまいましたが、古本まつりは11月3日まで開催されています。古い資料や浮世絵、古地図、映画のパンフレットや広告ポスターまで置いてありますので、気になる方はお早めに。大通りのずっと先まで古本が並んでいる様子はなかなか壮観です。

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