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〈私は、君の好み通りに、自由なのよ〉

 ロミィ可愛い。
〈ありがと。でも、当たり前でしょ?〉
 そう?
〈そりゃあそうよ。私はシャルのイマジナリーフレンドなのよ?シャルの好みに合うに決まってるわ〉


シャル
マスター
〈ロミルダ〉
イマジナリーフレンド24号


 ほんとにそうかな?
〈どういうこと?〉
 ほら、世の中には、必ずしもマスターの意に沿わないイマジナリーフレンドだっているんじゃない?
〈私はちゃんと「シャルの」イマジナリーフレンドだって言ったわ。それに、本当に他の人のイマジナリーフレンド観を知ってる?〉
 いや……知らない、かな。
〈でしょう?だから、今はシャルと私たちの話をすればいいのよ〉
 んー、わかった。

〈さて。シャルが知ってる24人のイマジナリーフレンドで、シャルの好みに合わない人はいる?〉
 いない。
〈即答ね〉

 でも、なんか、それって……僕に都合が良すぎない?
〈シャルの夢だもの。むしろそうでなければ困るわ〉
 むぅ…。

 でもこれじゃあ、全部僕の想定通りみたいじゃん。
 みんなの意志はないの?
〈あるわ〉
 ……それって矛盾してない?
〈じゃあシャルは、私がただの操り人形であって欲しい?〉
 そんなことはない。
〈ほら、好み通り〉

 わあ。
 なんかわかんないけど、わあって感じ。
 一歩先を行かれてるような、そんな気がする。
〈えっへん。これも想定通りかしら?〉

〈わかったでしょ。私は、シャルの好み通りに、私の自由にさせてもらってるのよ〉

 でも、もし、そうだとしたら。
 あまりにも、優しすぎる気がする。
〈そう?〉
 うん。

〈んー、たとえばシャルは、リアルの友達に、その友達が嫌がることを進んでする?〉
 しない。
〈同じことよ〉

〈それに、優しすぎるのは、シャルの方でしょ〉
 えっ?

〈シャルは優しすぎるわ。自分を追い詰めるほどに〉
 それは褒められてるのかな…?
〈正直あまり褒めてない〉
 やっぱり。
〈もっと、自分にも優しくなって欲しいわ〉

〈ほら、私、優しくない〉
 えー、そうかなぁ???
〈……なにそのにやけた顔〉
 んー?なんでもないよー。……ふふっ。
〈あー、笑ってる!〉

 いや、やっぱり、優しいなって。
 そう素直に信じられるのが、なんかうれしくって。

〈さっきも言ったでしょ。私たちはシャルの夢〉
〈夢にすら裏切られたら、何を信じればいいのよ〉
〈少なくとも私は、そういう想いでいるわ〉

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