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変化を拒絶する感情、現状を否定する理性

 「なにもしたくない、できない」と苦しく胸を痛めつける感情がある。
 「このままでは駄目だ、逃げるな」と厳しく胸を斬りつける理性がある。
 変化を拒絶する感情。現状を否定する理性。
 どちらも、暴走しがち。
 そして、その板挟みにあう自意識が、悲鳴を上げる。

 こんなとき、どうすればいいんだろう。
 理性的に考えれば、行動したほうがいい気がする。
 感情とは、一時的なもの。
 リスクを回避するための警報が、暴走しているだけ。
 新しい環境に飛び込んだとしても、じきに、慣れる。
 そんなに怖がるほど、現実は怖いところじゃない。

 そう、学んできたつもりだったけど。

 これじゃあ感情が納得しない。
 感情が納得しなければ、結局、人は動けない。
 今まで押し殺してきて、耐えきれずに暴走し始めた感情は、再び潰されることを極端に拒む。
 身体をも支配して、拒む。
 これを納得させなければ、結局、意味がない。
 だって、進めないのだから。もはや、物理的に。

 そのために、何が必要なのだろうか。
 一歩前に進む勇気を、どうすれば得られるのだろうか。
 未来の目標を見据える? 誰かに背中を押してもらう?
 こんなこと、誰も教えてくれない。
 一人ひとり、違うものだから。

 だから、考える。
 自分自身が納得できるように、考え抜く。
 その過程は、決して無駄なんかじゃない。
 前に進む一歩を、どうすれば踏み出せるか。
 それを考えることがすでに、一歩踏み出しているということだから。

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