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“暴走する”50代以上の中高年ストーカーが急増!

近年、中高年のストーカーが増えていると警視庁が発表しています。
警察庁の「ストーカー事案の概況」などによると、ストーカー事案で検挙された加害者のうち、2009年度の50~70代は総計1277人。
それが最新の統計に当たる2018年度、50~70代の加害者数は総計4831人と、約10年前に比べ4倍近くに跳ね上がっていることが分かります。
ストーカー事案自体も増加しており、昨年1年間に全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談が2万1556件だったことを報道各社が今年3月に報じています。
警察庁の同まとめによると、6年連続で2万件を超え、2000年にストーカー規制法が成立して以来、過去最高を記録したと発表しています。
今年に入ってからも中高年による悪質なストーカー事件が続々と起こっています。
5月27日、74歳の男が午前7時40分~同8時ごろの間、岐阜県揖斐郡在住の20代知人女性の自宅に押し掛け、腰を振るなどして性的な行為を要求し、29日午後0時すぎ、再び女性宅に押し掛けるなどストーカー行為をした疑いで30日に逮捕されました。
また、5月24日には高松家庭裁判所の50歳の事務官の男が起訴された事案では、男は、昨年6月から今年4月にかけて40代の知人女性の自宅周辺を何度も車でうろついたり、家を見張ったりした罪に問われています。
男は、警察から警告を受けた後もストーカー行為を繰り返していたとして、5月8日に逮捕されています。
さらに、1月には26歳の女性に昨年11月19~26日、Instagramのダイレクトメッセージを約380回送った疑いで兵庫県警生田署が54歳の会社役員の男を逮捕。
男は、女性のInstagramのアカウントを検索し、「付き合って」「デートして」とメッセージを送り、女性が拒否する返事をしても「心が素直でない」と、今年1月までメッセージを送り続けたという。

なぜ近年、中高年によるストーカー事件が急増しているのでしょうか?
「少子高齢化が進み、中高年の割合が増えたことが一因ではないかと言う考えやバブル期に社会的地位のあった人がモテた体験を引きずり、『俺の誘いを断るはずがない』と思い込んでストーカー行為に手を染める中高年は少なくないと言う考え、また、若い頃に恋愛で成功体験が少ない人は、女性に気を使われたり、優しくされると『自分に好意があるのでは?』と解釈することもあるようです。
また、仕事にまい進していた男性は退職後に趣味や地域社会との関わりが持てず、孤立する傾向が見受けられ、相談相手がおらず認知のずれに気づきづらく暴走する場合もあると言われています。

中高年の男性の中は、女性を性的な対象として認識している人がいるのに対し、相手はそう思っていないギャップもあるようです。
『男は30代からモテる』などの雑誌で特集がされたり、芸能人の年の差婚がTVで報道されたりすると、『俺だってまだまだイケる』と勘違いをする中高年がいるようです。
これは、マスメディアにも問題があるように思いますね。
現実社会では、自分のことを“おじさん”あるいは“おじいさん”であることを認識できず、認知のずれが生じるケースが多いと考えられます。
またカウンセリングを通して、自分には非がなく受け入れない相手が悪いと考えがちな人が多い傾向にあるようです。
以前に比べ、今の中高年は活動的で気力・意欲ともに充実している人も多く、車を運転すれば行動範囲も広がり、SNSを使いこなせば日常生活では出会わないような若い世代との交流も可能になります。
こうした行動力も中高年ストーカーの増加の一因でしょう。
被害者は一人で抱え込まず、警察などにまずは相談することですね。
そして「最後に一花咲かせたい」と願う中高年は、まずは冷静になって相手の気持ちを尊重し、嫌がることをしてはいけないと肝に銘じることが大切でしょうね。
いい歳をして、ストーカーで捕まるなんて、格好の悪い話しですから。


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