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9割の人が損している、マンションを「間違って売ってしまう」落とし穴

はじめに

 人生で一番高い買物といえば不動産だ。

 当然、住み替えを考えているのならば、なるべく高額でマンション売却を成功させたいもの。

 しかし売り方によって、数百万の差が出ることがザラにあるのが、不動産の怖いところだ。

 では逆に、どうすればマンションをうまく売り抜けられるのか。

買い手を見つけてくるのは誰なのか

 現在の市況は、中古マンションを売却するには絶好のタイミングと言えます。

というのも、新型コロナの影響で、在宅時間が増えたり、生活様式が変わったことにより、住宅購入ニーズは増えているものの、売り出し物件が少ない状況がずっと続いているからです。

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 事実、東日本不動産流通機構が発表するデータでは、2020年5月から首都圏における中古マンションの在庫数は下がり続け、販売価格は上がり続けています。

 しかしそんな中でも、マンション売却に失敗してしまうケースが散見されます。

 これからマンションを買う人であっても、将来マンションを売ることを見越しておいた方がいいでしょう。

 今回はマンション売却の失敗例についてお伝えします。

 実に9割の人が損を被っているのが「広告の掲載許諾」の存在を知らないことです。

 あなたがどこかの不動産会社に中古マンションの売却を依頼した場合、その不動産会社だけで売買が成立するのは、どちらかというとレアケース。

 多くの場合、あなたの売りに出した中古マンションを買いたいという買主は、別の不動産会社が見つけてくるケースが多いのです。

 つまり、不動産を売りたい人と買いたい人の間に、2つの不動産会社が入るケースが一般的なのです。

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売主に負担のない方法

 一方、あなたが依頼した不動産会社1社だけで取引が完結する場合があります。

 これはあなたがマンション売却を依頼した不動産会社が買主を見つけて来た場合に起こります。

 不動産業界内では両手取引と呼ばれる取引の形です。

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 この、あなたが依頼した不動産会社1社だけで取引が完結する取引は、不動産会社にとって見ると、とても”美味しい”取引と言えます。

 なぜなら売主と買主、両方から仲介手数料を得ることができるからです。

 この両手取引は利益相反にあたるため、アメリカでは多くの州で禁止されています。一方、日本では禁止されていません。

 当然、不動産会社は両手取引を積極的に狙っていきます。

 その結果起こるのが「売主には知らせず、他の不動産会社に掲載許諾を出さない」という行為です。

 あなたが中古マンション売却の依頼を不動産会社にすると、その不動産会社には日々「ウチの会社のホームページにも物件を掲載しても良いでしょうか」という連絡が他の不動産会社から来ます。

 当然、他の会社のホームページに物件を掲載してもらった方が、多くの人に物件を知ってもらうことが出来ます。

 売主にとって見ると、早く、高く売れる可能性が高まります。

 また「ウチの会社のホームページにも物件を掲載しても良いでしょうか」という連絡をしてくる会社は、自社の負担で販売活動を行うため、売主にとって追加の費用がかかることはありません。

 まさに良いことづくめです。

 しかし、両手取引を狙う不動産会社にとっては、面白くありません。

 自社で買主を見つけてきたいからです。

マンションを買ってから5年経っているかどうか

 そこで「ウチの会社のホームページにも物件を掲載してもいいでしょうか」という連絡が他の不動産会社から来た際に、売主にはホームページ掲載の依頼が来たことを知らせず、他の不動産会社にホームページへの掲載許諾を出さない、という行為を行っている会社があるのです。

 これは中古マンションの売主の利益を大きく損なう信義則違反と言えます。

 両手取引が禁止されているアメリカでは、そもそも掲載許諾を取るという文化すらありません。

 どの物件も、不動産会社同士が協力して広く広告活動を行うからです。

 ようやく最近では、他の不動産会社にも掲載許諾を出すことが普及してきました。

 中古マンション売却をする際は、不動産会社に「広告掲載許諾を最初から出してください」と依頼するようにしましょう。

 もし理由をつけて、広告掲載許諾を出してくれない場合、その不動産会社は両手取引だけを狙っているので、依頼しない方が得策です。

 現在のように不動産価格が上昇している局面では、購入時の金額よりも現在の価格の方が上がっている人も多いのではないでしょうか。

 そんなとき、確認して欲しいのが「自分はマンションを購入してから5年が経っているか」というポイントです。

 中古マンションを売却し、利益が出た場合は、その利益に対して税金がかかります。

 いわゆる「譲渡所得」と呼ばれる税金です。

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 この税金、じつは自宅の保有期間によってかかる金額が大きく異なるのです。

2倍も税金が違う

 その目安となる期間が、5年を超えているかどうか。住宅の保有期間が5年以下の場合の利益を短期譲渡所得、保有期間5年を超える売却における利益を長期譲渡所得と呼びます。

 それぞれの保有期間における中古マンション売却の税金は、以下の通りです。

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・短期譲渡所得の税金 …… 譲渡所得×39%(所得税30%+住民税9%)
・長期譲渡所得の税金 …… 譲渡所得×20%(所得税15%+住民税5%)
実に2倍も税金が違うのが見て頂けると思います。

 「うちの中古マンションは購入してから5年たっているから大丈夫だろう」と思っても、この「5年」の数え方は一般的な期間の数え方と異なります。

 中古マンション売却の税金における「5年超」とは、保有期間がぴったり5年間が経った次の年の「1月1日」以降に売却した場合を指します。

 例えば16年4月1日にマンションを購入したとすると、5年を超える「長期譲渡所得」として扱われるのは21年の4月1日以降ではなく、次の「1月1日」、つまり22年1月1日以降なので、注意が必要です。

 なお、自宅の売却で大きな利益が出たときに、強い味方になる制度が、「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」。

 これは、実際に自分が住んでいる居住用の住宅であれば、住んでいる年数にかかわらず、売却益が3000万円までであれば無税という、他では考えられないほど強力な優遇施策です。

「相場金額+10%」までは狙える

 一般的な中古マンションであれば、このマイホームを売ったときの特例を使えば、利益に対する税金をほぼ0にすることができます。

 一点、注意が必要なのは、この3000万円控除を利用すると、「中古マンションを売却した年とその後2年間、新しく購入した住宅に対して住宅ローン減税を利用できない」という制限があること。

 自宅を売却して賃貸に住みかえたり、実家に戻ったりして住宅ローンを利用しない場合は何の問題もないのですが、中古マンションを売却した後、新しく新居を購入しようとする場合は注意が必要です。

 せっかくマンションを売るなら、少しでも高く売りたいというのが人情というもの。

 しかし、あまりにも高い金額で売りに出すのも「売れ残り」のリスクがあります。

 中古マンションの場合、戸建てよりも他の不動産と価格を比べやすいという特徴があります。

 不動産サイトを見ていれば、住宅購入を検討している人は相場をつかめます。

 立地条件や希少性もよりますが、中古マンションの場合、高く売れる上限は「相場金額プラス10%まで」と言えます。

 もちろん、最初にお伝えした通り他の会社に広告の掲載許諾を出した上での金額です。

 あまりにも高い金額で売りに出すと、当然、売れません。

 すると今度は「あの物件はずっと売りに出ているな」と売れ残りの印象が付いてしまい、今度は相場通りの金額まで下げたとしても売れないという状態になってしまうのです。

 結果として、相場よりも物件価格を下げないと売れない状況になってしまうので、注意が必要です。



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