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中小企業が取るべき対策とは?

中小企業が抱える課題を解決するためにどのような対策が考えられるでしょうか。
取り組み事例などを交えつつご紹介します。

労働環境改善

会社の存続や生産性の向上のため、より良い人材を採用しようとするのであれば、自社の労働環境が働き手にとって魅力的である必要があります。
そのために、労働環境の改善は必須です。例えば、福利厚生の充実や風通しの良い組織の実現はもちろん、リモートワークやフレックス制などを導入し、従来のフルタイム、オフィス勤務以外の多様な働き方を選択可能とするなど、働き手のさまざまなニーズに対応することが求められます。

積極的なIT投資

「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉が広く注目を集めているように、現代のビジネスシーンにおいて企業が競争力を得るためには、ビジネスモデルを含めたデジタル変革が必須とされています。
最終的には特定部門に限定されない全社的な変革が求められる中、業界や企業ごとの体制や文化の中で、各社がさまざまなレベル感で取り組みを進めています。
実践の考え方としては、例えばクラウドサービスやIoT、AIを導入するにあたり、ある程度社内でデジタルインフラが整備されている必要があります。
そうでない場合は、それらを活用できるだけのデジタルデバイスを従業員に支給する必要も出てきます。金銭的にも時間的にもコストが想定されますが、社員1人当たりの生産性向上や、リモートワーク導入による多様な働き方の実現・職場環境改善にも欠かせない対応となるため、自社の状況を見極めつつ積極的な対応が必要と考えられます。

事業継承やそれを含む第二創業

後継者不在により事業継承が行えない場合、外部から第三者を経営者としてスカウトする方法も考えられます。
しかし、それでも後継者が見つからない場合、競合他社や大企業に売却する「M&A」によって事業継承を行うことも検討できるでしょう。また、自己資本での経営継続が厳しいような場合でも有効な手段となるケースもあります。

現状のビジネスモデルでは自社の経営が困難であるという場合、M&Aなどにより新たな要素が入ることで、これまでとは全く異なる分野に進出する「第二創業」という道も視野に入ってきます。
自社の組織としての存続、という面では大きなメリットになると考えられます。

とはいえ、注意すべき点もあり、従業員が自社の方針転換に対して納得してくれないケースもあり得ます。
例えば、従来成績が良かった従業員が、変化に順応できず方針転換後に成果を発揮できない場合、変化によって不利益が生まれていると感じ、「新たな方針は間違っている」と考えてしまう可能性があります。
そのため、まずはトップ層のビジョンを従業員に浸透させることが重要です。
また、そうしたリスクを減らすためには、売上・利益予算に基づく業績を指針とする従来型マネジメントではなく、会社の経営ビジョンを実現するための戦略構築・実行を重視するマネジメント手法「チェンジマネジメント」が有効であると考えられています。

CSR調達

「エネルギー見直し」に対しては「CSR調達」の考え方を理解することが有効です。
企業が社会に対して良い影響を与えるよう責任を負うべきだとする考え方「CSR(Corporate Social Responsibility)」を、自社のみならず取引先との関係性・調達業務に適用する「CSR調達」では、相手企業に対しても自社のCSR規範に準じることを求めます。

また「CSR調達」の一つである「グリーン調達」は、製品の原材料や部材に対して環境負荷の低い製品を選択することで、規制化学物質の削減や、二酸化炭素排出量の抑制、再生資源の使用などを実行する調達法です。

健全な経営を目指す

「生産性向上」のためのIT投資コスト捻出や、運転資金などの資金繰りを含め、健全なキャッシュフローによる経営の実現を目指すためには「フィンテック」を活用したスピーディーな融資の検討や、「CRE戦略」による不動産の有効活用を検討してみる価値があるでしょう。

「フィンテック(Fintech)」とは「金融=ファイナンス(Finance)」と「技術=テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語。
「金融とICT(情報技術)を組み合わせた新しいサービスや金融商品、そしてそれらを提供する企業」などを総称する概念ですが、このフィンテックは中小企業の課題「資金繰り」の解決にも一役買う可能性があります。

従来、中小企業の多くは信用金庫や地方銀行からの融資、経営者個人の資産からの拠出などに資金調達を頼るケースが多く見られました。
しかし、売掛金である入金待ちの請求書を介して資金調達を行う「ファクタリング」など、フィンテックによって新たな調達経路が生まれています。

また、もし不動産を所有しているようであれば、「CRE戦略」も検討すべき手段の一つとして挙げられます。
「CRE戦略」とは、企業が所有する不動産「CRE(コーポレート不動産)」を、経営戦略のための資産とみなし、最大限活用して不動産投資を行う考え方です。
不動産を単純に所有し続けるとリスク資産になりかねませんが、死蔵させず運用することで利益を最大化すれば、キャッシュフローの改善とリスク低減が期待できます。


以上、中小企業の現状を踏まえてご紹介した課題、そしてその対策をご紹介しました。
大企業以上に労働人口の不足に打撃を受けている中小企業ですが、その諸問題解決にはIT投資によるDXの成功と、それを基盤とした労働環境の向上と多様な働き方の容認、そして生産性の向上が必要であると考えられます。

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