天才は理解されない

近々あの嫌な時期がやってくる。学生生活で最も毛嫌いされるあの時期が。

私は自他共に認める天才だ。天才とは天の才能と書くからには天からの授かりものだと認識している人が多い。
はっきり言ってそんなわけが無い。

私はこの嫌な時期。つまりテスト前期間にはペンが手にくっつくほど勉強と向き合っている。だからこそ学年1位という成績をゲットしているわけで、生まれつき理解が早いとか、勉強しなくとも点数が取れる脳みそだとか、そういう訳では無いのだ。

しかし、いくらそれを周りに説明しても理解してくれず、「〇〇はいいよねぇ、元々賢いんだから...。」と言われる。

そう言われる度に机を蹴ったり人に罵声を浴びせたりとする暇もないので軽くあしらっているが、そろそろ我慢の限界だ。

天才は理解されない。これはかなり前から分かっていることで、数多くの原理を発見した学者も、その功績を認められたのは、彼らの死後だという。

この際はっきり言って理解しろとは言わない。ただ、私のことを偏見だけでみて羨ましがる行為だけは私の前では見せて欲しくない。

私と彼らとの歩く速さや時間の流れは相当の差がある。彼らが10分の娯楽を楽しんでいる間、私はその時間で1時間分の内容の知識を詰め込んでいる。

先程の天才の意味を利用するのなら、私は努力の天才なのかもしれない。

p.s.これはフィクションです。僕が天才なんて名乗れるわけがありません。
今日はテスト科目に「数学A」という文字を見つけて震えています。時計が12を指す頃にはベットにいれそうにないです。

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