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【雑感】贈与か呪いか(2)

今日もお読みくださってありがとうございます!
今日の画像は久しぶりの生成AIです。「ゴーストが宝箱を持っている」といれたのですが、持ってはいないですね。でも悪くない。

昨日の続きです。


昨日の補記

アリスちゃんに会えた

書き忘れていましたが、昨日職場に行ったとき、職場の桜がまだ咲いていて、今年も見られてよかったと思いました。
それから、業務委託さんのアリスちゃん(広瀬アリスに似ている)にやっと会えたのがうれしかったです。休職してから職場に行くのは3回目なんですが、彼女に会えたのは初めて。外でのんきに桜見物をしていたら、見回りに来たアリスちゃんに会えたのでした。事務室ではなかなかゆっくり話せないのでラッキーでした。

※アリスちゃんは今生の別れメールをくれた人です。
↓ 今生の別れメールについてはこちら ↓

贈与か呪いか 続き

贈与と呪いは表裏一体

昨日帰ってから、内田樹さんの文言を探すべくもりもり検索していたところ。ドンピシャの文言は見つけられませんでしたが、「贈与」に関する言説をいくつか読めたのでピックアップします。(前もやったかな?)

内田「贈与って聞くと、多く持っている者が少なく持つ者に分け与えるというような偉そうなイメージを持たれるかもしれませんが、違います。贈与は〝自分は何もしていないのに先行者から贈り物をもらっちゃった〟というところから始まるんです。もらったままだと負債感を覚えるので、次にパスしたくなる。これが基本的な流れです。何を贈与されたものと感じるかは人それぞれ。自分の身体髪膚(しんたいはっぷ)、何千年もかけて体系づけられた日本語、文学、音楽……。身の回りのすべてが贈与されたものに思える人は幸福なんですよ」

贈与とお布施とグローバル資本主義 鼎談:内田樹×釈徹宗×後藤正文 | TheFutureTimes

OH、もらったままだと負債感を覚える、まさに、すべての贈与は呪いと表裏一体。

さらにもっと直接的なものが出てきたのでこちらも。

贈与論というのは文化人類学上の一大テーマである。ひとにものを贈るというのは、かなり根源的な人類学的営為である。

バタイユは『呪われた部分』で北米インディアンの「ポトラッチ」という贈与習慣を分析して、贈与の本質は「愛他的動機から有用なものを与える」ことではなく、「贈られる側を心理的に威圧すること」であるという興味深い結論を導いている。

ポトラッチの場合は、最初は毛布とか什器とかいう生活にとって有用なものを贈るのだが、受け取ったものはただちにそれよりも多くのものを返礼することが義務づけられている。

もらったら、もらった以上をお返しするのである。お返しをしないと相手の財力や雅量に屈服したことになるからである。だから、もらったらすぐにそれ以上の贈り物を贈り返す。返礼を受け取ったものは、さらに返礼し返す。

それが繰り返されているうちに、贈るものがなくなってしまう。仕方がないので、贈り主は、相手の目の前で自分の漁船を壊したり、自分の住居を焼いたり、奴隷の喉を掻き切ったりするようになる。

こんなことをされても、贈られる方はぜんぜんうれしくないが、それが贈り物である以上、自分も自分の財産をどんどん壊さないといけない。

こうして「毟り合い」の果てに、双方ともぼろぼろになり、無一物となり、最初に「参った」といった方の「負け」で勝負は決するのである。

この事例から分かるように、贈与というのは、有用物を交換する経済行為というような合理的な目的のものではない。(ジャン・ボードリヤールが「象徴価値」と名づけた)「社会的な差別化をもたらす力」を生み出すのが贈与の本質なのである。

つまり贈与とははもらった方が「負け」という「勝負」なのである。

2月15日 - 内田樹の研究室 (tatsuru.com)

「負けるが勝ち」のこともある

お、おそろしいですね、「ポトラッチ」!
贈与が文化人類学上「社会的な差別化をもたらす力」であるというのは、とても納得できる話です。

図書館のAさんは、手の込んだ手作りお菓子やらシチューやらの差し入れをよく職場に持ってきてくれました。彼女は絶対に、「図書館の大先輩(20歳くらい年上)」が休みの日にそれらを持ってきました。なぜって、Aさんは大先輩のこと大嫌いだったから。
そんな露骨な、って思うでしょ?ほんとにあった怖い話ですよ。再三言ってるけど、こういう人を預けられて人間一人分の戦力として使えって言われても困るわけです。
差し入れてもらった側もその意図がわかるからさー、表面上はお礼も言うけど、心理的には威圧されたし、Aさんのこの差し入れに対して、返礼義務を果たす者はいなかったですね。

ポトラッチの例もあるし、「負けるが勝ち」という金言が身に沁みます。

↓ Aさんと大先輩についてはこちら ↓

続きます。
お読みくださって、ありがとうございました!


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