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社長と向き合う時

題名からして嫌ですね。
できればやりたくない。
思い出して書いているだけでも胃がキリキリする。
けど自分の中で整理整頓したいので書きました。

どこかで
(うちの会社だけは大丈夫)
(いざとなったら社長がなんとかしてくれる)
と思っていたのかもしれません。
「まったくもってそんなことはない!」
と今なら言えます。
今なら。。。

業績悪化

ずっと業績がよい会社ってないものですね。
生々しいですがその当時毎月6,000万円キャッシュアウトしていきました。
営業マンひとり当たり稼ぐ月間粗利益額が70万円まで落ち込みました。
社長に相談しても「なんとかなるよ」しか言いませんでした。

この期間は夜まったく眠れません。寝付くとうなされて起きます。
何を食べても味がしません。下痢ばっかりしていました。
いきなり泣き出す始末です。運転もままなりません。
いつ辞めようか?いつ辞められるだろうか?をずっと考えていました。
お師匠に「辞めるのだけはダメだ。清田がいなくなったら銀行が一気に引き上げるぞ」と言われ思いとどまりました。

中小企業の業績悪化の原因の90%は内部要因だと思っています。
外部環境の変化についていけなかったのも、原因は内部の体制や方針がまずいため。
うちの会社の業績悪化の原因も「コロナ」を免罪符として対外的には使いますが、真の原因は違います。
突き詰めていくと・・・
①経費が膨大
②稼いでいない社員が多い
③社長の無駄遣い
でした。

改革

前回も書きましたが、業務改善は私の十八番ですので原因さえわかれば淡々と、といいますかこの時期は冷徹に事を進めました。
進めないと私自身が壊れてしまいます。私が壊れたら会社も壊れます。

①経費削減
請求書を片っ端からひっくり返し、少しでも不要と判断したものは解約をしていきました。
また会計ソフトの仕訳も一行一行すべて目を通しました。

②稼いでいない社員が多い
社長にリストラを提案しました。
一度は社長の承諾をとりつけましたが、土壇場で「やっぱりリストラだけはダメだ!」と説得され「配置転換」をおこないました。
ようは事務部門にいる社員に「明日から営業になれ」と伝えるわけです。拒否権はありません。ゆえに自然退職となりました。

③社長の無駄遣い
東京のマンション、交際費、出張費などなど役員報酬の他に膨大にあるわけです。残念ながらこれらは売上にまったく貢献しておりません。
「これで何人社員を雇えるんだよ!」という怒りを抑え、これらのひとつひとつの仕訳を印刷し、社長に対して面と向かって詰めました。
(抑えたはずの怒りは抑えられるものではなく鬼のような形相になっていたと後から聞かされます。)
さすがに無駄な出費は減りました。

これらと組織変更、営業手法の改善を実行することにより業績は急回復しました。

経営側の人間として

配置転換を伝えた社員の中には、職場結婚をした方もしました。仲のよかった同僚もいたでしょう。そういう意味で言えば私は恨まれて当然ですし、一番やってはいけないことに手を付けたのかもしれません。
会社の業績は回復しましたが、まったく達成感はなく、安堵感というか徒労感に近いものを感じました。
数年経ちますが今もその感じは変わりません。

ナンバー2として、会社の業績が悪くなる前兆を感じたら勇気をもって社長に進言しないといけない。
そうしないと私のような思いをすることになります。

この改革以降社長との関係性は変わりました。社長は私が怖いそうです。
お互いを知る方曰く
「社長を叱ることができるのは清田さんだけだよ」
「社長は、清田の言う事が正しいと思うのが半分、憎たらしさ半分かな」

中小企業は突き詰めて言えば「社長」です。社長に苦言を呈することもナンバー2の大事な役割だと思います。
そうです。役割なのです。
私たちは役を演じるしかないのです。

「私と同じ境遇にいらっしゃる方には同じ思いをしてほしくない!」
その思いで書きました。
逆にこんな思いをしたからこそお伝えできることもあるのでは?と考えnoteをつけ始めました。
また個人的に親しい経営者にもアドバイスができるようになりました。

過去は変えられません。変えられるのは未来です。
「未来を変えられたら過去の解釈も変えられるのではないか?」
都合がいいかもしれませんがそう思えるようになりました。
自分の未来を。縁ある方の未来を。
そのためにも今日も一生懸命社員のために働きます。

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