秋季限定、ごぼうの香りを楽しむ!
みなさん、こんにちは。中央軒煎餅 商品開発チームのタケイです。
まだ残暑が厳しい日が続きますが、今回は秋季限定の「玄米ちっぷす ごぼう」を紹介します。
ごぼうの旬って秋だっけ?
種類によって異なりますが旬は秋から冬にかけてで、シャキシャキの食感と濃厚な香りを楽しめます。
春から初夏にかけてスーパーで見かけたような?
それは、若取りしたやわらかい、柳川鍋には欠かせない「新ごぼう」。
年に2回違った味わいのごぼうを楽しめるのですね。
きりのさかでは、夏季限定の「だだちゃ豆」に続いて、味覚の秋に香りを楽しむ「玄米ちっぷす ごぼう」を9月16日からグランスタ東京店にて限定販売します。
青森県産ささがき ごぼうが最適!
玄米ちっぷすに使用しているのは国内生産量NO.1の青森県産ごぼう。身がひきしまった青森県産ごぼうのおいしさの秘密は、夏に冷たく湿った北東風(やませ)が吹く冷涼な気候と、やわらかな土質の土壌にあるようです。
私たちはこの青森県産の乾燥した「ささがき ごぼう」を2種のサイズにクラッシュします。玄米の餅生地につきこむのは3~4mmサイズ、最後に味つけに使うのはパウダー状に。
クラッシュする作業を減らすために、それぞれに適したサイズのごぼうを探してみましたが、残念ながら同じ青森県産のごぼうは見当たらず、他のもので試作をしてみましたが、香りが弱くてごぼうの特徴が出せませんでした。引き続き、工場ではひと手間かけて2種のサイズにクラッシュしています。
玄米ちっぷすごぼうの製法をざっと紹介しますね。
前述したように、青森県産の乾燥ささがきごぼうを3~4㎜サイズにクラッシュして、モチ玄米を蒸して練った生地にたっぷりと混ぜこみます。
その生地を丸い大きな型に入れて、2泊3日冷蔵庫で寝かせた後、切断し、じっくりと2日間かけて生地の中心部まで乾燥。
その後、高温に熱した米油でカラッと揚げます。
ごぼうが焦げやすいので要注意!
揚げたてのちっぷすに塩と、パウダー状にしたごぼうを上掛けで味つけします。
「追いごぼう(更にパウダーをかけること)」で、まず初めにごぼうの香りとほんのりとした甘さが口中に広がり、次に玄米の香ばしさとサクッサクッ感を楽しみ、再びごぼうがやってきて、鼻にぬける。
初めから最後までごぼうの香りを楽しむことができます。
ごぼうはハレの日食材⁈
平安時代に薬用として中国から伝来し、江戸時代になると日本各地でそれぞれ特徴のあるごぼうが栽培されるようになり、親しまれていったという説があります。
ごぼうの細くて長い形状は「長寿の象徴」、地中にまっすぐに根を張ることから「家業の土台を堅固にする」、たたきごぼうはたたいて身を開くことから「開運担ぎ」など縁起物の食材としてハレの日に多く使われてきました。
「細く、長く、幸せに!」という素敵な意味を持つごぼうは、たたきごぼうや花びら餅などお正月料理にも欠かせない食材です。
ハレの日だけでなく日常でも、ごぼうのシャキシャキの歯ごたえと独特の香りは惣菜の定番「きんぴらごぼう」や「けんちん汁」などの汁物、「かき揚げ」などの天ぷらと食卓に並ぶ頻度は多種多様。
最近では食物繊維を多く含む食材として健康や美容面でも人気があり「ごぼうチップス」や「ごぼうサラダ」「ごぼう茶」などの新定番も増えてきています。
なぜ、「玄米ちっぷす ごぼう」は定番から外された?
グランスタ東京店をオープンするにあたり、売場スペースも考慮して玄米ちっぷすの種類を絞りこみました。以前はごぼうも定番で販売していました。
不動の人気を誇るのは1位が玉ねぎ、2位が桜えびです。
・玉ねぎは淡路島産の糖度が高い玉ねぎの甘みと香りが人気。
・桜えびは由比港水揚げの素干し桜えびを使っているので、うま味が凝縮され揚げることで香ばしさが加わる人気の味わい。
悩まず2品は確定しました。
それ以外の4品の選定はかなり悩みました。ポップアップ販売をしていた頃、お店や販売時期によって人気の味が異なる状況でしたし、それぞれ特徴が違うので。
最終的には味の特徴が重複せず、バラエティ感のある品揃えになるように6種の味を選びました。
・スイートコーンは優しい甘み
・パルミジャーノ レジャーノチーズは濃厚なうま味とコク
・トマト&ビネガーはダブルのさっぱりとした酸味
・柚子しょうゆは唯一の醤油味と柑橘系の爽やかさ
ごぼうはもともと季節限定品として開発された商品でした。その際に「まるでごぼうを食べているみたい!」と驚くお客様や「ごぼうの独特なあの香りがすき!」と支持してくださる方も多くて、定番品の仲間入りをしました。
今回絞り込みをするにあたり、定番ではなく1年に1度しか味わえない季節限定品として位置づけすることにしました。
・・・ということで今回、グランスタ東京店では秋限定品として初登場します。開発担当者は商品サイズを従来より若干小さくして食べやすくなるように改良しました。
「ごぼうちっぷす」にはどんなディップソースが合うのか?
3年前になりますが2019年12月のある休日、玄米ちっぷす ごぼうを主役に仕立てたいとディップソースをあれこれと作ってみました。(ごぼうが定番品だった頃)
その気持ちに嘘はなかったのですが、実は赤ワインが飲みたい気分だったため、「ポリフェノール」同士のペアリングでごぼうを主役にしました!
ごぼう特有の香りは、皮に多く含まれる「ポリフェノール」、そう!女性の味方の抗酸化成分であるポリフェノールです。
香りは「土の香り」や「枯れ葉の香り」などと表現されます。
ごぼうと相性のよい食材、スパイス、料理などを調べて5種のディップソースを決めました。
まず、はじめに赤ワインの栓を抜いて、空気に触れさせて。
ディップソースづくりをはじめました。
❶わさびレモン&アボカド:アボカドをつぶし、レモン多め、マヨネーズ、わさび 少々。
❷タルタルソース:ゆで卵、ピクルス、玉ねぎのみじん切り、マヨネーズ、甘酢、塩コショウ少々。
❸ガーリック&バジルクリームチーズ:クリームチーズ、ガーリック、バジル少々。
❹甘辛ごま味噌:味噌、みりん、日本酒、砂糖を加熱し混ぜ合わせ、白ごま少々。
❺サルサソース:トマト、玉ねぎ、ピーマン、ハラペーニョ入りの市販のソース(手抜きです!)
Let's enjoy ごぼうちっぷす party!
グラスに赤ワインを注いで、ここからは幸せの時間!
赤ワインとのペアリングを楽しみながらの私の個人的な評価としては、
NO.1は❺サルサソース。ミネストローネを思わせる味わいで、揚げごぼうとピリ辛ソースの相性が抜群。
NO.2は❶甘辛ごま味噌は予想的中でよく合う。味噌の塩味がやや強いので、ディップソースを少なめにつけるとグッド。
❸タルタルソースは合わなくはないが、ピクルスの酸味が邪魔しているような。
❷わさびレモン&アボカド、❹ガーリック&バジルクリームチーズの相性は今ひとつ。
❷わさびレモン&アボガドはレモンの酸味が強すぎた。多く入れたのが逆効果に。
❹ガーリック&バジルクリームチーズはクリームチーズがごぼうを包み込んでしまい、ごぼう特有の香りを感じない!まだまだ、改良の余地あり。
市販のディップソースが1番合うという残念な結果となりましたが、頭の中で考えた組み合わせと実物とのギャップもなかなかおもしろい。
おかきのためのディップソースづくりは楽しい。
秋の夜長、ごぼうちっぷすパーティはいかがでしょうか?
その日の気分に合わせて、飲み物を選び、ディップをつくる。
おかきをつまんで、ワインを口に運ぶ。ゆっくりと流れていく、この時間。
細く、長く、ずっと続いてほしい。幸せな時間!