中央軒煎餅 ‐1923年創業-
250回の試作でようやく生まれた!   トキメキの新おかき 「RICE PALETTE」初ドライフルーツを使いました。
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250回の試作でようやく生まれた!   トキメキの新おかき 「RICE PALETTE」初ドライフルーツを使いました。

中央軒煎餅 ‐1923年創業-

みなさん、こんにちは。中央軒煎餅の商品開発チームのタケイです。
2022年4月21日、せんべい・おかきの喫食シーンや贈答シーンの新しいあり方を提供するブランド「きりのさか By Chuoken Senbei」がグランスタ東京店に初出店致しました。
期間限定のポップアップショップではなく、はじめての常設出店です。出店にあたっての想いについては、弊社代表の山田のnoteもぜひご覧ください。

きりのさかの看板商品「玄米ちっぷす」はもちろんのこと、色とりどりの素材で飾られたおかき、まるで絵画のパレットのような 「RICE PALETTE」をいつでも楽しんでいただくことができます。
今回は50種以上の素材を組み合わせて試作を行った、RICE PALETTE 開発の裏側をお伝えします。
 

2022年4月21日オープン グランスタ東京店


素材選びは、トキメキのある「視覚的なおいしさ」

2017年1月、今まで見たこともない、食べたこともない 「オトナの女性がトキメク新おかき」の開発が始まりました。
「おどろくようなギャップが必要ですね!」 とブランド開発時にプロジェクトのパ―トナーに期待の言葉をいただき、開発テーマはSURPRISE!決め手はどんな素材を使うか?
SURPRISEには視覚的なおいしさが欠かせない、従来のおかきとは違ったカラフルな素材を?ドライフルーツやベジタブル系?
それも、ゴロゴロとやや大きめにして、素材の存在感を出したい。
色合いだけでなく、健活・美活も配慮したいので、まずスーパーフードをリストアップしてみました。玄米、アーモンド、ピスタチオ、くるみ、黒豆、クランベリー、ココナッツ、クコの実、いちじく、などなど。
チーズはクリームチーズ、ゴルゴンゾーラ、ゴーダ、パルミジャーノレジャーノ・・・。
おかきに向いている素材は、加熱しても色や風味が飛びにくい、味が濃厚なもの。オニオン、トマト、ごぼう、ニンニク、ココナッツ、ゆず、えび、ごま、ナッツ、チーズなど。
ナッツやチーズは比較的使いやすくコクは残りますが、品種の違いまでを言い当てるのは意外と難しいです。アーモンド? ピーナッツ? それともカシューナッツ?
チーズも火が入り過ぎると、どんな高級チーズも全てピザのトッピングのような香ばしいチーズ味になってしまいます。
素材の色や香り、繊細な味の特徴をおかきで表現するのは至難の業、それに挑むことにしました。
 
 

新しいおかき時間、ならばペアリングも!

RICE PALETTEは「17時からのおかき」をイメージして創っています。
それは、ゆったりと一日の疲れをいやす、リラックスした時間に食べていただきたいからです。
デザートワイン、爽やかな酸味のある白ワインやフルボディの赤ワイン、コクのある純米酒など素材を選びながらも、ついついそれに合わせるお酒のことを考えてしまうのも酒好きの性分!
こうして、視覚的なおいしさ、健活・美活、ペアリングを考えながら、50種以上の素材をあれこれと、組み合わせを変えて試作を行いました。
実際に試してみると、食材そのものの存在感がなかったり、逆にそれぞれの味が尖り過ぎて喧嘩してしまったりと、「SURPRISEの開発」は長いトンネルが永遠と続きました。
実は商品化されなかった「カリカリアーモンドに隠れたじゃこパワー」があります。1番はじめの試作品で、ちりめんじゃこ、アーモンド、黒オリーブの組み合わせが新しくて日本酒との相性もよく、気に入っていました。
しかし、黒オリーブは良いとしても、ちりめんじゃこは「トキメキ」「気分がアガる」からは外れている気がしたので、途中断念しました。残念!
 
試作開始から6か月経過した頃、社内会議での新商品の提案・試食会を行いました。この時すでに試作回数160回!
何度目の社内試食会だったか? ようやく「組み合わせはほぼOK!」をもらうことができました。
あくまで素材の組み合わせのOKであり、食感に関しては要改善!
ここから、まだまだ試作は続きます。
最終選抜に残った素材がこちら。

・パルミジャーノレジャーノ      ・ドライフルーツ&ナッツの原材料

左側がイタリアチーズの王様、パルミジャーノ レジャーノチーズとうま味たっぷりのベーコンビッツモチ玄米100%の生地にたっぷり練り込みました。
パルミジャーノはトッピングにも使い、更に濃厚なチーズの味わいにしました。その上に砕いたピスタチオと酸味のあるイタリアトマトパウダーで絵を描きました。ピリッとブラックペッパーをきかせて後味をすっきりと。
シラーのようなスパイシーで飲みごたえのある赤ワインとのペアリングをイメージしました。

右側は生地にアーモンドとアクセントにシナモンを練り込みました。香ばしく焼きあげてから、トッピングには初めてドライフルーツを使いました。甘くて酸味のきいたアプリコットクランベリー、色鮮やかなピスタチオを飾った甘酸っぱい味わいです。爽やかな酸味の効いた白ワインがお勧めです。
 
 

トンネルの出口はどこ⁈ 難関は生地づくり。
インタビューで、まさかのおいしくない!

素材プランは進んでいるものの、実はもっと深刻な問題がありました。
それは、おかきの形状(見た目)です。理想はオトナかわいいのカタチ!
でも、試作開始から2か月経ったとき、まだこんな状況でした。

開発当初の試作品3種

新しいブランド「きりのさか」の提供価値&新商品に関するインタビュー調査を実施した際、参考までに試食してもらった試作品です。
こんな未完成な状態で試食をしてくださった方々、本当に感謝しています。あの時の皆様からの率直なご意見がなかったら、RICE PALETTEは生まれていなかったかもしれません。
「ボロボロこぼれて、食べにくい」「おいしくない」「買わない」などの厳しいご意見が飛び交いました・・・。涙!
さすがに、その晩はへこみ、早寝しました。

今回のインタビューに参加して下さった方々に、数か月後「これがあの時の試作品⁈ こんなにかわいく、おいしくなったんですね。SURPRISE!」 と喜んでいただきたい、絶対にあきらめない!と試作の再開を決意しました。
あの体験がなければ、この試練をきっと途中であきらめていたかもしれません。ありがとうございました。


和生菓子「大福」づくりを思い出して。

以前、別ブランドとして玄米をつかった串団子、モチ米に黒大豆を練り込んだ豆大福や季節の和生菓子を製造販売していました。
大福の生地はモチ米を蒸かし、潰してモチ状にして黒大豆を混ぜて包餡機(ほうあんき)と呼ばれる機械に生地を入れて、餡を包んでいました。
包餡機を通すために水分を多めにして、柔らかく仕上げていました。
塩味のきいたモチ米と、たっぷり入った黒大豆の食感を楽しむおいしい大福でした。

当時の黒大豆大福

その大福の製法を思い出して、新商品の生地を柔らかめにし、型に絞り出してみました。生地が柔らかいことで、モチ特性の粘弾力に負けることなく、多めのアーモンドクラッシュを混ぜることも容易にできました。
この生地を早速焼いてみました。
結果は一言でいうと「風船おかき」です。プクーっと風船のように膨らんで中が空洞のおかきです。これはこれで別のおもしろさがありますが、表面の皮が薄くて手で軽く押すと破裂して粉々に・・、失敗に終わりました。
焼きの温度や時間を変えてみましたが、多少の変化はあるものの、うまくいきません。真っ暗闇のトンネルはまだ、続きました。
 

シュー生地がヒント…逆発想を!

気持ちを切り替えて、次は洋菓子の本に何かヒントがないかと探すことにしました。その時・・・。

「なぜ、シュークリームの生地が上手に膨らまないの?」

シュー生地は小麦粉、水、バター、塩、卵と原材料も製法もおかきとは異なります。ただ、同じデンプンの特性があり、水と熱を加えて加熱し、粘りのある生地をつくり、生地に含まれる水が水蒸気に変わって生地を膨らませるのは同じです。

今私が抱えている「空洞をなくしたい」という問題は、シュー生地の「空洞をつくりたい」の逆発想で実現できるのではないか?と考えました。
シュー生地の原材料とその役割、製法で参考になる点は何か?水分量、焼きの温度と時間を参考にしました。
まず、水分量ですがシュー生地は約32~35%と他の焼き生地に比べて多いのが特徴でした。その多めの水分がオーブンで加熱されることで水蒸気となり、体積を増やしてふっくらと大きく膨らませるのです。
風船おかきの水分量を調整して、何通りか試作を行ってみました。

次に、焼き温度と時間です。通常、おかきを焼く場合 ①温め ②成型 ③芯抜き④色付けの4 段階で火力調整を行います。②成型時に膨らみ過ぎないように火力を調整する必要がありそうです。
シュー生地の焼きはオーブンによって違いはありますが、200℃で20分(上火190℃)膨らんだら、180℃(下火160°)に下げて10分が目安のようです。
前半、上火を弱くするのは十分に膨らませるため、膨らみきったら温度を下げて焼き固めるようです。
・・・これは難しい!!細かく温度設定を変えて試してみるしかなさそう!
 


2017年10月、大福やシュー生地を参考に何とか形になりました。
この時はまだ「カリカリアーモンドに隠れたじゃこパワー」も存在していました。
パルミジャーノレジャーノチーズはドライトマトをトッピングの予定でしたが、最終的にはパウダーに変更しました。

2017年10月に社内提案した商品(開発途中)


2018年1月30日自宅で行う試作の最終日、試作回数220回。実は、ここまでの試作はわが家のキッチンで行っていました。
次々と起こる問題を何とかクリアし概ねゴールが見えてきたのでテーブル試作を終えて、いよいよ製造場所を工場に移すことにしました。
ちょうどこのタイミングで新商品を製造する設備も工場に揃いました。ようやく量を増やして試作をすることができます。
ここから工場で5か月間、生産部の協力を得ながら約30回の試作を行い、2018年6月13日「RICE PALETTE」として初めてポップアップショップに登場しました。

それから約3年間、ポップアップショップだけの販売を行ってきましたが、晴れてグランスタ東京店で、常設販売することが可能になりました。

グランスタ東京店に並ぶ「RICE PALETTE」

  

左:ドライフルーツ&ナッツ、右:パルミジャーノレジャーノチーズ

 
今回この記事を書くにあたって、3冊の開発ノートを見ながら開発当時の記憶をたどりました。
初心を忘れることなく、お客様の声に耳を傾けながらトキメキのおかきを進化させていきます。
まだまだつづく、SUEPRISE!の開発の旅・・・。


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中央軒煎餅 ‐1923年創業-
おかき革命!まもなく創業100年を迎えるにあたって、これまで大事にしてきた伝統的なおかきづくりを継承しながらも、新しいおかきの時間を提案していきたいと考えています。【公式HP】https://www.chuoken.co.jp