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【会計】グローバル・ミニマム課税の実務対応報告案、2月公表へ─ASBJ

去る1月17日、企業会計基準委員会は第494回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■グローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応

第493回親委員会(2023年1月10日・20日合併号(No.1666)情報ダイジェスト参照)で審議されたグローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応が議論された。
事務局から、グローバル・ミニマム課税に関する法人税法の改正が2023年3月31日までに国会において成立した場合、その成立日以後に決算日を迎える企業の会計処理について、次の対応案が示された。2月に実務対応報告の公開草案を公表し、3月中の最終化を目指す。

⑴グローバル・ミニマム課税制度に基づく税効果会計の適用に関しては、税効果適用指針44項の適用に関し、グローバル・ミニマム課税制度について、その改正前の税法の規定に基づくことができるとする、特例的な取扱いを定める
⑵特例的な取扱いの対象はグローバル・ミニマム課税制度の施行日においてその適用が見込まれる企業とする
⑶特例的な取扱いの適用期限は、「ASBJが本実務対応報告の適用を終了するまでの間」とする
⑷特例的な取扱いは選択適用とする
⑸特例的な取扱いを適用した場合、その旨を注記する

委員からは、⑷の選択適用とする案について、「ほとんど原則適用する会社がないならば、一律にしたほうが混乱が少ないのでは」など、反対意見が多く聞かれた。

■金融商品の減損

第193回金融商品専門委員会(2023年2月1日号(No.1667)情報ダイジェスト参照)に引き続き、次の論点について審議が行われた。

⑴貸付金の測定

ステップ2を採用する金融機関における貸付金の測定に関する次の論点と事務局案が示された。

①引当における貨幣の時間価値の考慮
②IFRS9号「金融商品」における償却原価の採用
③利率(実効金利の算定等)
 →①〜③は、原則としてIFRS9号の定めを取り入れる。ただし、金融商品に関する手数料の取扱いおよび実効金利法による償却原価の償却方法については別途検討
④条件変更および認識の中止
 →当面の間IFRS9号の定めを取り入れない

委員からは、「②については、手数料の取扱い等が決まらないと賛否を判断できない」といった意見が聞かれた。

⑵満期保有目的の債券等に対する予想信用損失の適用

満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券に対する予想信用損失の適用について、事務局から、償却原価やFVOCIで測定する負債性金融商品に分類された債券については、一般的なアプローチで予想信用損失を測定する対象とするなどのIFRS9号の減損に関する定めを取り入れる案が示された。
委員からは「債券をファンド化した投信が対象となるかなど、網羅的な分析をすべき」などの意見が聞かれた。


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