~師匠との出会い。その笑顔はまるでルフィ。Dの名をもつのか?~

オペ室入門初日。門を叩く。緊張しながら待っていると、門が開く。明らかにオーラが違う当時の男性手術室長(師匠となる方)のおでまし。

開口一番「おっ、ついにきたなぁー!」つ、ついに、、とは?!
つまりは脳外科病棟時代の出来事を知っていたようだ。そして看護師辞めようとしていことも知っていた様子。師匠に「んじゃはいれ」と言われ中に入る。
「うちはいろんな科をやってるけど、ちゅんは明日から整形な」突然の報告に、「あ、、はい。」と答える。(本音➡️え、何で整形❓️国試でも眼中なく勉強しなかった分野じゃん💦 てか興味ねーー💦)

そして初めての手術現場に入る。外回りといって、器械を医師に渡す看護師ではなく、手術が円滑にすすむように患者さんの管理であったり、必要な物品類を器械出し看護師に渡してあげる役割から始めた。
そして1週間もすると、師匠はそばにいるのだが、だまって腕くみして自分をみつめているのだ。

そう。この師匠はドSスパルタナースだったのだ!

もちろん不馴れな自分は、動きもだめだめで医師に「なにぼーっとつったってんだ!そんなんじゃでていけ!」といわれる毎日を過ごしていた。
ただなぜか師匠は、自分に対して課題を課すこともなく、勤務が終われば普通に帰る日々を送っていた。
そして3ヶ月がすぎ、整形に関わる中で次第に興味をもってきた。そしてとある日、レントゲンをみながら師匠に、「この骨折についてですが」と質問。
そう、師匠のスイッチが入る。

「おぉ、ちゅん。初めて自分から質問してきたな。明日までに手を構成する骨の名称と位置、全部調べてこい。あ、骨の形もな。」
そして思った。「なんかこの感じなつかしーー!」

そして課題はどんどん続く。手について終わったら、もちろん足もだ。足も大腿、膝、足首、足の指含めて幅広い。骨の形、名称だけじゃなく、骨の角度もだ。
そして骨だけではない。これがしんどかったが、筋肉、血管、靭帯全てだ。もう無数すぎて途方にくれた。

そして私はやってしまった。。

しれーーっとフェードアウトしたのだ。

この時オペ室入門して半年である。

ただ気になることがあった。直接医師に器械を渡す。いわゆる直介(ちょくかい)の経験0。病院にもよるだろうが入っててもおかしくはない。

そして奇妙なのは、課題をしれーっとフェードアウトし、師匠も気づいてるだろうに何も言ってこない。
まぁいいかと思い、その後はただただ時だけがすぎる。そしてオペ室入門11ヶ月目。まだ直介に入っていない。直介の見習いにもだ。そして師匠からの課題についても、あれ以降一切確認されることなし。
そしてまもなくオペ室入門して1年がたとうとする日、自分自身の中でも強みがないような気がしたのと、もったいない月日を過ごしてしまったと反省する。
そしておそるおそる師匠に、半年以上前の課題を提出。。
すると師匠は「おー、もってきたか。これじゃ内容薄いな。今週までに調べてこいよ」
師匠に、わかっていたのにフェードアウトしたことなど、謝罪。
そして師匠の一言。「よーし、やるか!」まるでワンピースのルフィを彷彿とさせる笑顔をみせてくれた。この笑顔の真相やいかに!?

~次回、師匠のドSスパルタ第2障 Dの名をつぐもの編~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?