【スペイン旅】アルハンブラ宮殿で詐欺被害。GetYourGuideを信じてはいけない
こんにちは。
ドイツ・ミュンヘンに留学中の大学生、桜です。
イベリア半島周遊旅、前回に引き続き今回もスペイン・グラナダ編。
前回、キリスト教とイスラム教の交わるグラナダの下町を楽しんだあとは、いよいよメインのアルハンブラ宮殿。
ヨーロッパ史を語るうえで重要な宮殿に足を踏み入れるようす、
そして、私がさまざまな都市を旅してきて初めての事件に遭ったようすもお届けします。
アルハンブラ宮殿
アルハンブラは、スペインのグラナダに位置し、イスラム建築の最高傑作と称される宮殿。
13世紀半ばから14世紀にかけて、当時のイスラム王朝・ナスル朝の王たちによって建設されました。「アルハンブラ」はアラビア語で「赤い城」を意味し、夕日に映える赤い壁が由来とされているそう。
王たちの住居、宮廷、要塞としての機能を兼ね備えた宮殿は、イスラム建築の精緻な装飾や美しい庭園が特徴的で、ユネスコの世界遺産でもあります。
GetYourGuideのツアーに参加
朝、ホテルを出て徒歩で宮殿へ。
結構朝早い時間帯だったので、街はまだ眠っているよう。
というのも今回は、私の旅行記では珍しく、GetYourGuideで予約したガイドツアーでアルハンブラ宮殿を見学します。
(理由については後程・・・)
トラブル①
アプリに表示されていた集合場所に到着。
しかしここで、第一トラブル発生。
待てど暮らせど誰も来ない!
予約時に送られてきていたPDFを何度も確認するも、時間と場所はあっているし…と途方に暮れていました。
しかし、メールの受信フォルダを見てみると新規メールが一件。
内容は「You have been rebooked!」
なんと勝手に予約を一時間遅くずらされていたのです。
しかもこのメール、届いていたのが深夜1時。
この後の予定もあるのに・・・と初っ端から印象はよくないGetYourGuideのツアーの始まりでした。
トラブル②
そして立て続けに新たなトラブル。
10時少し前、ようやく参加者がそろい始めてガイドさんも到着。
全員にチケットが配られたのですが…
↑これが渡されたチケット。
ツアー客全員「・・・ん?」と首をかしげました。
私たちが予約したのは「ナスル朝宮殿」が含まれるフルチケット。(上のスクリーンショット参照)
しかし渡されたチケットに「Nasrid Palace」の文字はなく、ヘネラリフェとアルカサバのみ。
というのも…
一口にアルハンブラ宮殿と言っても、見学できるエリアはいくつかに分かれていて、
これがヘネラリフェ↓
これがアルカサバ↓
そしてアルハンブラの中でも最も美しいエリアがこのナスル朝宮殿↓
実は、事前予約が間に合わず、公式サイトでナスル朝宮殿を含むチケットだけが売り切れてしまっていたため、3倍ほどのお金を払って泣く泣くGetYourGuideのツアーを予約したのにこのありさま。
ナスル朝宮殿抜きのチケットなら当日も余裕で買えたのに…
同じツアーに参加していたネイティブの人がスペイン人ガイドに訴えかけても、「私は知らない」の一点張りで取り合ってくれない。
一旦気を取り直し、アルハンブラの見学を楽しむことにしました。
ヘネラリフェ
ナスル朝の夏の離宮と庭園となったのが、ヘネラリフェ(Generalife)。
見学はそこから始まりました。
メインの部分に向かう道中も、綺麗に整備された植物が並ぶ美しい庭園が続きます。
イスラム教徒の王たちが避暑地として利用し、静かな場所でリラックスするために設計されました。名前の「ヘネラリフェ」はアラビア語で「建築家の庭」を意味するそう。
そしてここがヘネラリフェのメイン。
緑豊かな庭園と水が流れる運河、噴水が点在し、花が咲き乱れる美しい風景。
ここは特に有名なパティオ・デ・ラ・アセキア(Acequia Court)で、長い水路と両側に植えられた花々が見事なコントラストを成しています。
豆知識として、ヘネラリフェの庭園は、イスラム教の楽園の概念を反映して設計されていて、四角い区画に分けられた庭園と水の流れは、楽園の四つの川を象徴しているものだそう。
さらに現在の庭園は、イスラム時代のオリジナルデザインに基づき、20世紀に再設計されたものらしい。
細かい模様が彫られた柱も本当に美しい。
いろんな角度から見て、その細かさに思わず見入ってしまいます。
上から眺めた様子。
屋根が瓦で、日本みたいだな~と感じたり。
藤の花のようなものが咲き乱れていて、これまた日本みたいだな~と眺めたり。
そして次の見学場所に向かいます。
カール五世の広場
続いては、あの有名な人物にまつわる広場。
春だからか、宮殿じゅうに色とりどりの花が咲いていてため息が出ます。
そして通り過ぎたのは…
本来みられる予定だったナスル朝宮殿。
模型が置いてありました。
見られないと分かっているから尚更素晴らしく見えて、本当に悔しい…
お金は払ったのに!私たちは何も悪くないのに!と、ツアー客皆でさんざんガイドに訴えましたが、ことごとく無視。
途中で訪れたのは、カール五世の広場。
円形闘技場のようなここがその広場。
ここは、16世紀に、かの神聖ローマ皇帝カール五世が作らせた広場。
宮殿の前に広がるスペースで、シンプルながら宮殿の迫力を引き立てています。
ルネサンス様式の宮殿とイスラム建築のアルハンブラが一緒に楽しめるのが面白いポイント。
今では、結婚式やイベントの会場としても使われているそう。
無宗教の私にとっては、ここを使う新郎新婦の信仰が気になるところ。笑
ガイドとのひと悶着
と、ここでガイドが突然「ツアーはここで終わり!みんなあとは自由にアルカサバを見てきて」
とツアーが突如終了。
心のどこかでナスル朝宮殿を未だ期待していた私たちは、想定よりも早すぎる終了に動揺、大ブーイング。
そして日本人の私が個人的に許せなかったのが、
ツアーが始まるときからツアー中もずっと、私たちのことを「Hey, Japan!」とジャパン呼び。
明らかに馬鹿にするような、あわよくばほかの西洋人ツアー客の笑いを誘ってやろうというような、私達への小ばかにした扱いが積もりに積もり、さすがの私も怒り心頭。
しかし、私たちの抗議など聞く耳も持たず、早々に仕事を切り上げて帰って行かれました。
その後は、ツアー提供会社に電話をしたり宮殿のインフォメーションセンターへ行って事情を説明したり、ネイティブのお客さんたちと力を合わせましたが、ナスル朝宮殿に入らせてもらえることはありませんでした。
あとでみんなでレビュー書こうね、返金求めようね、でないとこれが常態化してしまうから、と、
最終的には諦める方向でまとまりましたが、それにしてもすごい団結力でした。
怒りは収まりませんでしたが…
アルカサバ
アルカサバは、アルハンブラの「最強要塞」として13世紀に建設されました。
まるで「ここから先は通さないぞ」と言わんばかりの堅固な城壁と塔が自慢です。
グラナダの街やシエラネバダ山脈の絶景が一望できるので、兵士たちもきっと勤務中にボーッと景色を眺めていたことでしょう。
1492年にはカトリック両王が勝利の旗を掲げ、スペイン軍の駐屯地に。地下通路や秘密の仕掛けもいっぱいで、まるで中世のアドベンチャー映画のセットのような場所でした。
塔の上には旗が揺れています。
これが、見張りの兵士も楽しんだであろう素晴らしい景色。
今までヨーロッパを旅しても見ることのなかった景色に、胸が高鳴りました。
ここはアルハンブラの先端。
帰りにナスル朝宮殿の美しいポストカードを見かけましたが、いつか必ずリベンジしてこの目で見ると決めたので買いませんでした。
ツアーが一時間後ろ倒しになったせいで、バスの時間が迫っていたので、仕方なくタクシーを捕まえてバスターミナルへ向かいました。
そして早速、GetYourGuideに返金請求。
さらに、アジア人差別についても話すと、ガイドの名前や具体的な内容を尋ねられ、事後の対応は真摯なものだったなと思います。
後日、部分的な返金とガイドの対応についての謝罪が届きましたが、やっぱり何事もなく観光を楽しみたかったな、という気持ち。
教訓
ここで私がお伝えしたいのは、
「観光地は必ず公式で!前もって!予約をしろ」
ということです。繁忙期は特に。
というのも、今日起きたすべてのトラブルは、事前予約をしなかったから遭ったもの。
一か月前ですでにナスル朝宮殿のチケットは売り切れていたので、そこまでの状況は想像しえなかった部分もあったのですが…
そして、GetYourGuideが掲載しているからといって、すべての業者が信用できるとは限らないということ。
いちおう、公式チケットサイトを貼っておきます↓
本当に人気ですぐ売り切れてしまうので、アルハンブラ滞在を予定している方は何よりも早く予約することをお勧めします。
ちなみにこの後は次の都市へバス移動。
クレームを入れるのに疲れて殆ど車窓の写真がありませんでした・・・
次回、さらに南へ進み、セビージャの街へ行ってきました。
これ以降はなにもトラブルなく旅を進められることを祈ります。
それではまた!
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