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【SAPIX 春期講習】2月の改変から生じた違和感について

以前の記事にてSAPIXが2024年2月から改変を行ったことをお伝え致しました。それに伴ったことが理由として大きく感じる違和感を春期講習中に感じてしまいました。私の想定していた影響範囲の見積もりは甘かったのかもしれません、より皆様のお子様に影響があるかもしれないです。


春期講習で感じた違和感

私が感じた違和感は6年生の授業で『アプローチ』ではなく『実戦編』を使っていたことです。
校舎として『実戦編』を使うなどの統一したルールがある校舎もありましたが、今回の話しはそういう理由以外での内容です。

通常、授業内では『アプローチ』を使い家庭学習として『実戦編』を指示致します。それを『実戦編』を授業中に使うことをこの春期講習で何度か目にしたのです。

『実戦編』と『アプローチ』の違い

『実戦編』と『アプローチ』というのはSAPIXの算数の教材である【サポート】内の区分です。よく分からない方はお子様の教材を確認ください。

両者の問題の内容にほぼ違いはありません。問いの並んでいる順番と意図が異なるだけです。
それじゃあ別にどちらを使おうが良いじゃないか、と思われるでしょう。
しかし問題の内容に違いが無くとも、実は一つだけ大きな違いがあるのです。
それは、解説があるかどうか、です。

違和感から読み取れること

教材として珍しい作りになっていますが、『アプローチ』には解説が付いておらず解答の数字のみの記載になっています。『実戦編』には一応解説が付いております。

私のSAPIX時代にはほぼ全ての時間で『アプローチ』を授業内で使いました。
一応補足として、αを担当する偉い講師の中の非常にクセのある人で『実戦編』を使い『アプローチ』を家庭学習にしたこともありました。その人の理由としては『あいつらは解説の無い問いを自宅で色々考えてやることの方が良いんだ』ということでした。まぁそれはそれでどうかと思うこともありますが、その人の方針としての理由からです。

しかし今回目にしたことは上記の方針によるものではなく、もっと低俗な理由だと思います。何故『実戦編』を行っているのか訝しんでおりましたが、ふと解答のことを思い出し腑に落ちました。そしてまた、理由に気付いた瞬間呆れてしまいました。

何故『アプローチ』ではなく『実戦編』を行ったのか、その理由は講師が解説が無いため『アプローチ』を教えることが出来なかったからだと考えられます。

『実戦編』を使った講師の共通点

実際、『実戦編』を行ったことを目にしたのは数回だけですがそれを行った講師には共通点がありました。

①レギュラーの講師ではない
②大学生(ないし20代の若い年齢)
③授業の説明は解説の丸写し
④ミドル以下のブロック帯

この違和感から言える問題点

結局のところ、問題として言えることは非常に授業が稚拙である、ということです。そしてそれを何とかしようとしているとは言えない状況であるとも言えることです。

これは2月の改変による影響は少なからずあると感じます。
これは今後改善されていくとは思えない状況のため、より加速することはあってもマシにはならないでしょう。
ここまでは私も予想していたことではありましたが今回読み違えたと感じたことは、私は改変の影響は6年生まではまだ出ないと考えていた、ということです。

まさかここまで早く6年生にまで影響が出てくるとは考えていませんでした。
こうなってしまうと4年生・5年生などのクオリティはより恐ろしくなっていることが容易に想像できてしまいます。

実際に春期講習後に今までの様子を確認してみると、特に4年生の状況は阿鼻叫喚になっている校舎も少なくないようです。

この問題点から言えること

端的に言えば首都圏における中学受験に対しての環境はより悪化の一途を辿っているということです。

ますます、『元々出来る子供が上手くいく受験』であることが強まることでしょう。特に4年生での取り組み方は今よりも更に重要な意味を持つことになると思います。
下手をすると4年生の段階でもはや取り返しのつかない悲惨な状況になることも多くなるような気がします。

保護者が考えるべきこと

前提として、首都圏において中学受験を考えるならばSAPIXに通うことがベストな選択肢であることをお伝えしております。

現状悪化はしていますので将来的にその考えを訂正することはあるのかもしれませんが、それは今ではないと思います。
まだまだ、他塾との差は大きくあると考えております。

しかし、大事なことはただSAPIXに通っていれば何とかなると甘く考えるべきではないということです。
現在の中学受験はしつこいですが『元々出来る子が上手くいく受験』と言える状況です。その中で上手くいくように変えることは、自然に行うことではなく入念に準備を行い考え対策をしていくことです。

そのためにも下記のポイントを保護者は考えて頂きたいと思います。

①早く動く

スピードは非常に大事な要素と言えます。
というよりはっきり言うと、基本的に保護者の受験への状況に対し危機意識の持ち方は遅過ぎます。

もうどうしようもなくなってから動くか、そこまで酷くなくても今更そんな事を言い始めるのかと思うようなタイミングで保護者はようやく動き始める印象が多いです。これはSAPIX時代から強く感じており、今でも学習相談などで感じております。

②甘く見通さない

先程の早くという話にもつながる気はします、甘く見通すためぎりぎりになってや手遅れの状態になりようやく動くという事態になってしまうことはあるのでしょう。
勉強というものは病気と同じと言えます、症状が出てくるもっと前の段階で原因が生まれています。成績という名の症状がハッキリと出てくる前から対処を行うことが『準備』というのです。
そのため、症状が出てきてから慌てふためくことは対処として全く早くはないのです。

それだけではなく、改善に対しても甘く考えることは止めましょう。
例えば、SAPIXに通うだけでは難しいと考えたとしても近くの個別指導塾に通うや大学生の家庭教師に頼む、コロナ以降数限りないことはコベツバなどの解説動画などを与えるだけの対策になることです。

残念ながら、上記のやり方でプラスが生まれる子は『元々出来る子』に限られます。ここでも結局は塾での状況と同じことが言えてしまうのです。

受験は競争です。首都圏で5万人前後の人数が中学受験を行います。
例えば80%偏差値での数字を考えると
55⇒上位30%=1万5千人前後以内
60⇒上位15%=7500人以内
となります。もちろん、上記の順位に入っていなければ確実に合格は無理というわけではありませんが、そこからかけ離れた実力であれば話しにならないということは言えます。
統計的には持ち偏差値が1足りないと合格の確率は10%下がると言えます。

これを達成することが保護者が甘いことを考えていたり、教える側がやる気や楽しく云々などの甘いことを言っていて可能かどうかをお考え下さい。

③原因子供論

こういう話しをするとアレルギーのごとく拒否反応を示すご家庭がいらっしゃいますが、残念ながらほとんどの問題の原因は子供側にあることが多いです。

と言うよりも、基本的に最初から完成された子供なんてほぼいないわけなため問題があって普通なわけです。
一番マズいことは、この事に対して向き合わず原因他人論にしがみつくことです。もしくは向き合ったようなフリをして傍観しているだけということもあります。

この原因子供論を自覚し、改善しようと取り組まなければ上手くいくことはありえません。何故なら人は自然には変わらない生き物だからです、それは私も含めてです。変えようと考えることだけが唯一可能性を持てる方法になります。
辛いですが、こういった考えを持てるかどうかになります。

先に覚悟を持つのは保護者が先

いつもお伝えしていることですが、子供が自然にや自分で進んで厳しい茨の道に歩みを進めることはありえません。まずは保護者がその道に進む覚悟を持つことが出来なくてどうやって子供が進めるのでしょう。
お手本である保護者がまず一歩踏み出しましょう。

算数の家庭教師を行っております。無料相談も行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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