2021年7月の記事一覧
振り回されてきた現象に名づけることで、自己を取り戻していくーぼくらの非モテ研究会『モテないけど生きてます』ー
強烈なタイトルの書籍に出会った。『モテないけど生きてます』このタイトルからは「モテない、すなわち(社会的)死であるところ、なぜか生き延びてしまっています…」という極端な価値観を伺わせる。しかし、極端とはいえ、この感覚には男女問わず多くの人に身に覚えがあるのではないだろうか。夜道で一人帰路につくとき、シャワーを浴びているとき、コンビニ飯を貪りながら、「モテないけど、生きてるなぁ…」と。
近年、女性
ジェマ・ヒッキー著/上田勢子訳『第三の性 「X」への道』(明石書店)
第三の性を求めて、国家による二項対立の押しつけを拒否した活動家の半生―著者・ジェマの言葉はあらゆる凡庸な二項対立からわたしたちをすくいあげてくれる
「X」という性を耳にしたことのある人はどれほどいるだろうか。
近年日本においてもLGBTという言葉の標語的な広まりで同性愛やトランスジェンダーについての認識は広まりつつある。しかし、誕生時に与えられた性に違和感をもつ当事者の生育過程が語られる際、未