ADHDの子の未来にあるものが二次障害でいいわけがない
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ADHDの子の未来にあるものが二次障害でいいわけがない

今日は、感覚統合クリニックでの研修中に出会ったADHDの二人の女の子のお話し。

メグは、天真爛漫な5歳の女の子。研修生だった私の事をすぐに大好きになってくれて、週2回クリニックに通ってくるたびに道に咲くきれいな花や葉っぱをプレゼントしてくれた。

セラピーの最初に、子供と一緒に1時間のアクティビティのメニューを決めるんだけど、自閉症の子がいつも同じアクティビティを選びたがるのとは対照的に、メグはそのアクティビティが何か知らなくっても毎回何か新しいものを選ぶ好奇心旺盛な子だったんだよね。

新しい事に挑戦するっていうことは、まずはその使い方&やり方の説明をきかなきゃいけない。でもメグはいつも説明の途中でフライングしてアクティビティをはじめちゃったり、初めて見る道具を使い始めて壊してしまったり。

そういう自分のミスに気づくとメグは「Oops!!!(しまった!やっちゃった!」と口にし、すぐに私の顔色を伺い謝りにきた。でも私は決して怒らず「自分で気づいて説明の続きを聞きにきてくれて偉いよ。ありがとう」と伝えた。ADHDの人の衝動的な行動は叱って治るものじゃないし、叱ることはただ単にその人を追い詰めるだけだからね。でもほとんどの人はそんなメグのそそっかしさにあきれ顔になったり叱ったりしたんだろうなって思うのね。だって「Oops!」って言って私の顔色を伺おうとしてる時の表情が怯えていたから。

そんなメグとのセラピーの途中に、私がもう一人担当していた14歳のADHDの女の子、ティファニーのママが彼女の忘れ物を取りに来た時があったんだよね。


ティファニーは、自己肯定感がとても低く、不登校気味の中学生。行動を起こすのがおっくうで、ゲームを一人でしたり、本を読んだり、誰とも関わらず自分一人で完結できることが好きで、ADHDの診断があるとは思えないくらい外からの刺激に反応せず、うつ病の診断がつくかも…という状況の子だった。

そんなティファニーのママが私とセラピー中のメグをみてポツリと言った。

「ティファニーも昔はあんなに天真爛漫だったんだよね。でもメグと同じように”Oops!"が口癖だった。そうやってうっかりミスを繰り返して叱られ続けて自信をなくして自分を責めるようになり、リストカットを繰り返し、不登校になった」「幸いにもメグは5歳でセラピーにありつけた。だからせめてあの子の将来がティファニーみたいにならないように願ってる」と。

ティファニーのママからそんなことをきくまで、ティファニーがそんなに行動的な子だったなんて夢にも思わなかったんだよね。

ティファニーを変えてしまったのは、彼女がADHDだからじゃない。彼女に関わってきた人たちが、彼女を追い詰めてきたんだよね。

ADHDの人は、不注意だったり、片付けができなかったり、忘れものが多かったり…。それらに自分で気づいたり、周りから指摘されたりして「自分のできてなさ」に否が応でも気づかされ、自信を失い続ける障害でもあるんだよね。

だからこそ、「起こってしまった事を」叱ったり責める関わりじゃなく、「起こってしまう前」にそれが起こらない&起こってもうまくやり過ごせるような関わりを心がけてくれる人が周りにできるだけたくさんいててほしいなって思います。

ADHDの子の未来にあるものが二次障害でいいわけがないから。

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チャビ母

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I wish you have a nice day!
アスペルガー症候群と診断された息子チャビの母です。 「このまま日本にいたら息子に明るい未来はない」と一念発起し、障害のある子にとってより良い支援環境があるアメリカに移住してきました。障害のある子の母として支援者として、私から見た息子やアメリカの支援について書き残して行こうかなと。