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自閉症は治るのか?向き合うものなのか?

アメリカに住んでると、いわゆる「トンデモ」信者さんとか「自閉症は治る」信者さんは多いんだよね。友達にもいろんな信者さんがいて勧誘してこられる事も多い。

でも、私のモットーは「特別な場合を除いて、相手を全否定しないこと。」

だから色んなトンデモを勧めてくる友達には、

「あなたはそれが私によかれと思って勧めてくれるのはありがたいけど、私はそれを信じていない。でも私はそれを信じてるあなたの事は尊重するから、これからも友達関係を続ける為に、私がそれを信じていない事を尊重してほしい。」

これで去って行く人もいるけど、意外と納得してくれる人もいて、今も友人には反ワクチン信者さんを筆頭にいろんな人がいるんだよね。

というわけで今日はね、「僕は自閉症だったけど治った」と主張してた息子の友達ヘンリー(仮名)のお話し。

息子のクラスメイトだったヘンリーは、アスペルガーを公言し積極的に自閉症の啓発活動をする息子に「なぜ自閉症を治さないの?僕は治ったよ。治ったらイチイチ啓発なんてしなくていいのに治さないなんてチャビは馬鹿だよね」と言ってきたらしい。

でも息子曰く、「ヘンリーは支援級の所属ではないんだけど、僕から見たらすごく支援が必要な子なんだよね。昔の困ってる事がいっぱいあった僕みたいでいつも苦しそう。ママ、なんとかしてあげてよ」と。

実は以前から、息子を迎えに行く時見る子で凄く気になってた子がいて、その子の特徴を息子に話すと、それがヘンリーだったと知った。

ヘンリーは、学童の時間ずっと裏庭で大きな石を頭上からどすんと地面に叩きつけたり、不安定な足場のところを歩き続けたり、砂を掘り続けたりしてたんだよね。

ある日思い切って声をかけてみた。一人で何やってるの?って。

するとヘンリーは「一緒に遊ぶ友達がいないわけじゃなく、それを自分でやりたくてやってる」って話してくれた。話から察するに、どうやら学童の教室のざわつきに堪えられなかったり、体は疲れてるのにそのイライラの持っていき場がわからずとりあえず穴を掘ったりしてると知って、もっと有意義な方法をアドバイスした。

それ以来ヘンリーは事あるごとに私に色々困ってる事の解決策をきいてきた。私は思いつく限り「こうやってみたら」とアドバイスした。

ある日ヘンリーが、私がチャビのママだと知ってきいてきた。「自閉症は治せる。僕は治った。なのになぜチャビに治療を勧めないの?」と。

「私はね、脳の事とかも勉強してて、自閉症が今の医療では治らないことを知っている。だから私はチャビに”自閉症でありながらも生きやすい方法”を探してそれをもって毎日大変な事が大変じゃなくなる事を目指してきたのね。それは私がヘンリーにアドバイスしてきたことと同じ様なことだよ。「今まで大変な事が大変でなくなる」というのは、「治った」とはまたちょっと違うのはわかるよね。ヘンリーのママがヘンリーの為にやってきた治療も、私がチャビにやってきた工夫も、どちらも「困ってることをなくそうとしてる」っていう意味では同じことを目指してるんだよ。」

そういうやりとりがあって以来、ヘンリーは息子に「治せ」という事もなくなり、学校で困ってる事があると息子にアドバイスを求めるようになってきた。私はヘンリーとヘンリーのママが何をもって「自閉症は治った」と言っていたのかはいまだに知らないんだけど、「困ってる事があれば、それに向き合って工夫して楽にできる方法を考えればいい」っていう私の考えをヘンリーが尊重してくれたことはとっても嬉しく思ってるし、何よりもヘンリーが学校で笑顔が増えたことが嬉しい♪

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