日記 SEED FREEDOM観た

 先週末にガンダムSEEDシリーズの最新作、FREEDOMを映画館で観てきた。その日はバイトだったが割と早くに上がれたのでノリで電車の中でチケットを買って観に行った。元々SEEDシリーズのシナリオは別に嫌いではないが、意味もなく(それが俺が計り知れない芸術性なのかもしれないが)キャラを脱がすノリには正直胃もたれしてしまう。しかしまぁ、ガノタとしてこの祭りに便乗しない手はないので観に行く決意を固めた次第だ。入場者特典が第二弾に変わった直後だったので、キャラと機体の資料集リーフレットをもらえた。素直に嬉しかった。

 本編の話に移るが、結論から言って面白かった部分とくどかった部分が半々ぐらいだった。

 メカデザインの話からさせてもらいたい。新機体のライジングフリーダムやイモータルジャスティスが序盤から戦闘を繰り広げるが、あの寝そべり変形は正直ナンセンスだと観る前から思っていた。CGはクッソ格好良かったのでまあ良し。そしてコンパス所属のギャンとゲルググが登場したが、これはかなり好みのデザインだった。特にギャンはファーストの中でも一番好きなMSの一つなので非常にテンションが上がった。
 また、アスランが乗っていたズゴックもとても良かった。「アスラン・ザラ、ズゴック、出る!」はちょっと笑った。
 敵役のブラックナイツの期待も格好良かったと思う。西洋の甲冑モチーフで、ギャンとの並びも映えていた。運命とインパルスだけでなく、バスター、デュエルも改修されたりしていてオールスター感があった。機体デザインとか戦闘シーンについては大満足である。

 さてシナリオの話だ。これは本当に賛否両論というやつだと思う。ここでは賛寄りの否という立場を取らせてもらう。「結局世界は変わらない。戦争は繰り返される」というストーリー構成についてはだってガンダムだから、の一言で片付けられる。ただ、アコードの設定は後付け感が否めなかった。実はラクスはアコードでした!などと言われたところでじゃあ種でも種死でももっとやりようがあったのでは?となってしまった。約20年越しの正式な続編という作品で突然そんなことを言われても割と困るだけである。そしてそのアコードが強すぎる。思考を読むだけならまだしも、思考を操作したりとかはちょっとやりすぎな気がした。明確な攻略法も明示されず、最後に愛は勝つんだ!みたいなオカルトパワーで押し切ったのはどうなんだろうか。
 テーマとして『愛』があるのは間違いないだろう。コンパス陣営は愛する人と隣で、もしくは愛される理由を見つけたみたいな終わり方をしていたが、ファウンデーション陣営は愛ではなく支配を選んだ為に負けたという描き方をしたかったのだと思う。勧善懲悪の描き方として綺麗ではあるがあまりにもさっぱりしすぎているような気がした。それだったら誰も救われないエンディングの方がガンダムらしさという意味では良かったのかもしれないとさえ感じられてしまった。シリーズ通してのキラの不憫さを鑑みればそろそろ救われてほしいという願望もあるが。
 そして意味もなくエロシーンを挟む傾向がより色濃くなっていたように感じた。元からこれいる?的なシャワーシーンなどはあったが、オルフェが突然ラクスを押し倒して胸元広げようとしたりは正直要らんかったのでは?と思う。また最終決戦でも思考を読まれないように隠者をカガリのリモートで操縦するというシーンがあるが、そこで思考を読まれたアスランがカガリの裸を想像しているという謎シーンもあり、俺達は何を見せられているんだ…になってしまった。ラクスのノーマルスーツもやたらピチピチのボディラインが異常に際立てられているものにされていたり、ラストシーンが何故かキラとラクスが全裸で海岸に佇んでいたり…とりあえず脱がせば良いってもんではないと思った。そういう描写の多用は割とノイズに感じてしまった。
 ノイズと言えば、ギャグ要素もやたら盛り込まれていた。アスランとキラが殴り合うシーンで、キラが一方的にボコられていたり、加勢したシンがオマケのように殴られたり。前述のアスランのカガリ妄想もだ。また、シンの思考を読もうとしたアコード連中が「ダメだ!コイツの闇は深すぎる!」とか言っちゃうのもなんか違くね?って思った。そこをイジっていいなら割と何でもアリになってしまうのではないか。

 総括としては、SEEDのオールスター映画としてはよくできた作品だと言えるだろう。ストフリ、隠者、デスティニーがカッコよく戦闘をする。新機体もそれぞれ見どころがある。スタイリッシュロボットバトル映画としてはよくできていたと思う。しかしSEEDの新作を心待ちにしていた人種の一部は首を傾げる内容だったことも否定できない。後付け感がすごい設定、くどすぎるエロとギャグ、あからさますぎる勧善懲悪など、すっかり大人になったあの頃の視聴者層には理解されないような内容も多く含まれていた。キラ達が守った世界は自由を手に入れられるのか、疑問が残る作品であった。

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