今日成人式を迎える俺へ

特に何かを成し遂げた訳じゃないが、今日令和6年1月8日に俺は成人式を迎える。こんなことをわざわざ書くほどの人生は今のところ送れていないと思う。
例えば俳優がこういうのを書く時には、自分がなぜ演技の世界に興味を持ったのか、どう向き合ってきたのかとかを書くのかもしれない。例えばバンドマンがこういうのを書く時には、一人だった時に唯一寄り添ってくれた音楽への感謝と決意を書くのかもしれない。
俺にそんな深い話はできない。俺にそんな重みのある話などない。狂ったように何かに打ち込んだ経験なんてない。一人で泣いて苦しんだ夜など片手で数えられる程度だろう。普通に小学校を出て、普通に中学で部活をし、普通に高校生らしい遊びをしてから、普通に大学生活をしている。結局のところ成人式までの人生なんて大半はそんなものなのだ。
今日は中学校の同窓会が開かれるらしい。そんなものに頼らなくても仲がいい奴とは今でもたまに遊ぶし、なんなら実家に住んでいるので町中ですれちがうことだってある。あの頃好きだったあの子はどうなっているのだろうか。あの頃俺より頭の良かったあいつはどこの大学に行ったのだろうか。そんな好奇心が無い訳ではないが、かわいかったあの子にはきっとイケメンの彼氏が既にいるし、優秀だったあいつも恐らくいい高校からいい大学に進んでいるに決まっている。変わらないものというのは絶対的にある。
人は5年やそこらでは根本的には変わらないと思う。そもそも中学生にもなれば人格はほとんど固まっている。落ち着きを得る事はあるかもしれないが、基礎の部分は同じだ。俺のこのイキリ癖も捻くれた価値観も大きくは変わっていない。
それでも俺は成人式では久しぶりに会う友人と写真を撮って、その後同窓会では酒を酌み交わす。それはそれで良いじゃないか。大人になってからは中々訪れないハレの日だ。捻くれた考えは家に置いて行こうと思う。胸を張れる報告が無くたって、めでたい日なんだから全部チャラだ。余計な心配などしなくてもきっと楽しく出席できるだろう。
改めて、成人おめでとう俺。
成人おめでとう、これを読んでいる今日成人式を迎えるあなた。
俺達の未来はきっと明るい。

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