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【コラム】マーメイドはひとりで躍る⑥

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https://note.com/chronostasis_ac/n/n61491be8f566

新学期。私もいよいよ大学4年、院進の予定も休学・留年の予定もないので、一応最高学年にして学舎最後の1年間となる。

新入生の皆様はご入学、新社会人の皆様はご入社おめでとうございます🌸

私が追いかけ続けた先輩方もいよいよ社会人に。時が経つのは早いものだ。しかしそれとは裏腹に、どこか焦燥感も感じる。

就職活動が本格化してきて、いよいよ「この会社に入って何がしたいですか」という質問を多く耳にするようになってきた。ただ、面接官には一切伝えていないが、正直なところ「わからない」。

元々この手の将来の夢みたいな経路の質問は、ある意味実現可能性が薄くても、現在の自分のポジションとなんの脈絡がなくても許されていて、むしろありきたりなことを回答するよりも、奇をてらったようなロマンあふれるものの方が求められる傾向があった。「将来の夢」に関する質問そのものがその人個人のパーソナリティーの一種になるし、応援する側も叱咤激励のしがいがある。幼稚園の頃なんて私は「しょくぱんまん」に憧れていた記憶がある。この記事を読んでくれている皆さんはどうだっただろうか。おそらく同世代の男子なら、「マジレンジャー」とか「仮面ライダー響鬼」のような悪を倒す正義のヒーロー、女子だと「きらりんレボリューション」「ふたりはプリキュア」「シンデレラ」みたいな可愛さの象徴に憧れていた人も少なくないだろう。

そこから十何年も時が経過し、いよいよ「将来の夢の話」が「ドラえもんが生まれた100年後の世界についてを語るようなもの」ではなく、「明日のスケジュールを決めるようなもの」に変わっていった。その目まぐるしさが、しんどい。考えたくもない。
恋愛の世界でも、「好きになるまでの片想いの期間が一番楽しい」なんてフレーズがある。確かに世に流れる恋愛ソングは、その大半が「片想いの期間」の話を取り上げているような気がする。そういうものだ。

夢は夢のまま、メルヘンの世界にしまっておくのが楽しいもので、いざ現実世界に落とし込んでしまった瞬間に、何も面白くなくなる。一気に冷めてしまう。もういっそのこと、夢は現実から大きく乖離したくらいが、ちょうどいいのかもしれない。
テスラの社内で内ゲバを起こしてイーロンマスクからCEOの座を奪い取るとか、レッドリスト入りしている動物だけ集めて自分だけの動物園を開くとか、そういうレベルでもいい気がしている。知らんけど。


明日は第一志望の企業の人事面接だ。これを乗り切れば、最後社長面接なのだが、社長面接は最終確認の意味合いのため、ここが正念場らしい。

きっと「明日のスケジュールを聞くような感覚で」将来入社してからやりたいことを質問されるだろう。一応それに向けて「ありません」以外の内容で答えは用意している。それも急造したものではなく、何日も何ヶ月も時間をかけて、自分の中で納得できるまで落とし込んだつもりではいる。明日受ける会社に関しても本心で第一志望にしている。

とはいえだ。

大学生にとっての「将来の夢」の見方は、本当に難しい。
「将来」が指すものは、はるか先の話ではなく、そう遠くない未来のことで、でも社会人の世界なんて大学生が知る由もないから、「目標」というわけでもない。きっと、「見えないものを見ようとして、望遠鏡を覗き込んだ」時のような感覚に近いかもしれない。答えは、BUMP OF CHICKENに聞けばわかるのかもしれない。

入学式初日に、就活生の戯言に付き合わせてしまって申し訳ないので、最後に「夢」の話に関連して、この春から新天地で頑張る人たちに向けて僭越ながら一言つけておくと、

「夢」本体についてを決めることは難しいが、漠然とした「夢」のレパートリーくらいはある程度は大学で作れそうな気はする。テスラのことを知らない人間は、先程のような「テスラの社内で内ゲバを起こしてイーロンマスクからCEOの座を奪い取る」なんて話は出てこないだろう。
いろんなことに挑戦し、経験し、刺激を受け、学んで、そしてようやく大学生という職種の職権をフルに使っていると言えるだろう。どっかの大学の入学式の在校生か偉い人からのスピーチと被ったら申し訳ない。

あとついでに、新しいフィールドに身を置くみなさんに、ささやかながら私から曲のプレゼントをば


・・・こんな感じでいいのかな、マーメイド侍くん。

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