花蓮の夏
という台湾映画があります。
二人の少年と一人の少女が織りだす純粋で切ない青春物語なのですが、物語は二人の少年が親友になるきっかけとなった小学校時代からスタートします。
優等生の学級委員ジェンシンと、クラスの問題児ショウヘン。担任の先生はジェンシンに対し、ショウヘンと友達になり面倒を見るように頼みます。最初は義務感から友達になったジェンシンでしたが、やがて二人は親友になっていきます。
そんな小学校時代に描かれたエピソードで、とても好きなシーンがあるんです。
ある日、優等生のジェンシンはテストで67点を取ってしまいます。担任の先生にも「成績が落ちてるわよ学級委員」と注意されたうえ、80点未満だった他の生徒たちとともに黒板の前に立たされ、おでこにマジックで点数を書かれてしまいます。おでこに「67」と書かれたジェンシンの横には、同じように「33」と書かれたショウヘンが立たされています。落ち込むジェンシンとは反対に、ショウヘンは嬉しそうにこう言うのです。
「なあ、ジェンシン。俺たち二人でちょうど100点だな。」って。
先日、音楽を通して出会った知人と会食をした際、「音楽でどうなりたいか」という話題になったのですが、まさに自分はこのセリフのようになりたいと思うのです。
これまで出会ってくれた人、きっとこれから出会ってくれる人たちとともに「俺たち二人でちょうど100点だな。」って思える音楽を創りたい。
もっと言えば、そんな感覚で音楽をともにしてくれる仲間たちと「俺たち二人でちょうど100点だな。」って思える人生にしたい。
贅沢かもしれないけど、そう思うのです。
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