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(詩のようなものとつぶやき)カルアミルク・岡村靖幸

♡♡♡

岡村靖幸 
1992年東京ベイNKホール

寒い中 並んで
寒い中 二時間並んで
寒い中 ミニスカートで震えながら
手にした18列目のチケット

熱気と興奮と歌声と夢中になるひととき
想いを馳せて
寒さを忘れて 立ち尽くして

そのときはまだ 
君がいることをしらなくて

少し経ってから

君がいることを告げられて
君があぶないことを告げられて
どうしようもなく涙が出て
初めて神様に祈った
君が助かるなら
なんでもします
どうか助けてください

行かなかったライブ
使われなかったチケット

寒い中 並んで
あの時 一緒にいたんだね
ありがとう 一緒にいてくれて

子守唄にカルアミルク歌ったこと
忘れてるかもしれないけど
教えてあげる
今度一緒に歌おう

♡♡♡

結婚したのは早かったけれど、
子供を産むことは考えていなかった。
結婚も自分の未来にはないと思っていたし。
家から出て、そのまま彼の家に住んで、
そんな感じで。
大体、子供のままで甘い考えしかなかったし
継母に虐待されていたこともあったし、
そんな自分に子供を産んで育てるなんて
できるわけがなかったし。
でも妊娠して。
妊娠がわかった時は戸惑いが大きかった。
自分には無理、産めないと思った。
数日悩んでいたら出血があり、
流産するのかな、と
諦めに近い気持ちで病院へ。

実際に先生に“切迫流産”と聞いた途端、
ボロボロと涙が止まらなくなった。
助けてください、と何度も言って
先生を困らせた。
帰りのタクシーの中でも
涙が止まらなくて、
自分でも不思議に思うほど
小さな存在を守りたかった。

その後、先生にライブの話をして
OKはもらったものの、
行かないことにした。

それからも切迫早産になったり
色々とあったけれど
岡村ちゃんと同じ獅子座になって
生まれた息子。
岡村ちゃんより大きくて190cm
ひげもじゃの熊だけれど
変に真面目でかまってちゃん。
岡村ちゃんのライブに一緒に行って
すっかりファンになり、
「カルアミルク」より
「ビバナミダ」のほうが名曲だと言う。

喧嘩もいっぱいするけれど
生まれてきてくれてよかった。

“こんなんでいいのか解らないけれど
どんなものでも
君にかないやしない”
「カルアミルク」岡村靖幸

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