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樹洞、深海、水の泡

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無関係な連想#2 自浄作用

「腐った朝」って、こういうものなんだな。 葉月になってから六日目の朝を、腐らせてしまった。朝と言っても、怒りや不安や恐怖が頭を占拠してしまって一晩中眠りにつけなかったせいで、気持ち的にまだ暗い時刻にいる気がした。でも、カーテン越しに入ってきた胡散臭いと思うほど蒼白な朝日は、早くどこかへ逃げたいと焦っていた私にとっては、この上ない救いだった。 「清算が必要だ。」 頭の中にずっと音をせずに囁いてくれる透明な声が、今回はかなり強い口調になってこだまする。断ち切るタイミングはいくら

    • 寝息

      煌めきが移った微睡む頬と 知る術もない夢に手を振る 緑ヶ丘を通過して 速度も忘却しながら 醒めない夜を駆ける

      • 無関係な連想#1 チャクラ

        ある日の出来事の断片と、それで勝手にフラッシュバックする歌詞のこと。 背中にタトゥーを入れたばかりで傷口はまだ治ってないから、染み出す墨と血を拭いて欲しいと、Sにお願いされた。 黒い半袖Tシャツを脱いだら、背骨に沿って首の真下から腰まで真っ直ぐに、七個のチャクラが刻まれいてる。頭上からの明かりに照らされて異様に白く見える肌の上に。痛めるのではないかと怯えながら、皮膚に貼られている透明なサージカルテープに針で小さい穴を開け、ティッシュを当てた。黒色の輪郭を指でなぞり、溜まっ

        • 歩んできた日々と、ただいま

          2022/05/26 La.mama 40th Anniversary 『PLAY VOL.106』 odol / Bialystocks @渋谷La.mama 単純に感動したとか、よかったとかで簡単に括りたくなかった。ただ捻くれてるのだろうか、ただカッコつけてるのだろうか。そう思われてもいいくらい、重さがあり、心に大切に止めておきたい記憶だった。 一夜のライブの感想というより、極めてプライベートなメモワールのようなもの。 odolの音楽は、聴き手の平凡な日常に寄り添う

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