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【まとめ】ミステリーの書き方 伊坂幸太郎編

書き出しで読者を掴め!

印象的な冒頭は、いつまでも忘れられないものだ。

メロスは激怒した

おそらく日本でいちばん有名な書き出しだろう。
言わずもがな、走れメロスの一節である。

トンネルを抜けると雪国であった。

おそらく日本で二番目に有名な始まり方だ。
私的にはその後に続く「夜の底が白くなった」もすごく文学的で好き。

ちなみに、川端康成は「そこは」雪国なんて無粋な言葉は使わないので、正確に覚えておこう。

現代の作家だと綿矢りさの「蹴りたい背中」の書き出しがすごく印象的だった。

寂しさは鳴る

伊坂幸太郎の描く小説は、どれも冒頭のシーンが不思議と心に残っている。

春が二階から落ちてきた。

「重力ピエロ」の一節はとくによく覚えている。
たとえ内容を忘れてしまっても、とあるワンシーンや、一文だけ記憶にあるということは、よく起こるものだ。

そんな脳のシワに刻まれるようなシーンを作り出すにはどうすればいいのだろう。

印象的な冒頭は2種類

『ミステリーの書き方』より、伊坂幸太郎の冒頭で掴むテクニックを紹介する。

『死神の精度』や『ゴールデン・スランバー』など、超人気作を量産する大作家によると、冒頭は大きくわけて2種類あるという。

書き出しに印象的な<場面>を持ってくるパターンと、書き出しの文章そのものに凝る方法

なんとなく、最初の1行には文学史に残るような独創性が求められていると思っていたので、印象的な<場面>でも良いという考えかたは目からウロコだった。

たしかに映像作品では、最初のワンカットというよりも、シーン全体で表現するため、なにも1行目から驚かせる必要はない。

では、どうすれば印象的なシーンになるのだろうか。

とにかく冒頭に”動き”のある場面、物事が転がりだす場面を持ってこようとしています。

これは映画などでも典型的な手法だが、映画のような尺にしてしまうと、小説としては長すぎる。

いかにユニークに、動きのある場面をまとめるか。
それが小説の最初の勝負なのだろう。

最後に、伊坂幸太郎の哲学を紹介して締めることにする。

”誰かに届けたい”という思いがたぶん、一番大事なように思います。



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