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何故VR睡眠はMPが回復してHPが回復しないのか?理由を説明してみた

 説明をする前にまずVR睡眠とは何か調べてみよう。

 VR睡眠とは
 『VRヘッドマウントディスプレイを被ったままみんなで集まって眠る、メタバースの最新文化「VR睡眠」VRChatのヘビーユーザーでは、毎日VR睡眠をするような猛者も存在します。』
 とある。
 引用:https://note.com/nemchan_nel/n/nea04717f27ad

 VR睡眠は一人で寝ることもあるが、どうも基本的にはみんなで寝ることが前提であるようだ。
 
 また、VR睡眠をしている人は口をそろえて同じことを言う。
『VR睡眠はMPが回復してHPが回復しない』
 MPはマジックポイント。
 HPはヒットポイントつまり体力を意味する。
 これはRPGゲームの文脈に沿った表現といえよう。
 ゲームにおけるMPは特別な技を使うときに消費するパラメータであるが、では現実世界においてのMPとは何なのだろうか?

 ずばり言うと脳内物質の『オキシトシン』と推測できる。
 オキシトシンとは100種類以上ある脳内物質の一つで、他者との交流や、友人や仲間との楽しい時間、スキンシップなど人とのつながりなどによって生じる脳内物質であり、人に「安らぎ」や「癒されている感じ」を与える。よって、一人で寝るのではなくみんなのVR上でつながりを持ちながら寝ることで単純な睡眠だけでなく「安心」や「一体感」に包まれ睡眠しているのである。
 おそらくこれが皆が言うMPの正体ではないだろうか?

 また『HPが回復しない』については、もう薄々気がついているだろうが、健康を害しているところだ。
 重いヘッドマウントディスプレイを装着し、トラッカーを付けたまま寝るのだからそれは寝にくいに決まっている。そのため睡眠が浅く、時には途中覚醒などで目が覚め十分な睡眠が取れていないことは容易に想像ができる。だからHP=体力が回復しないため前述の通り『MPが回復してHPが回復しない』のである。

 そもそもVRChatの魅力を脳内物質で語ると非常にハマりやすいようによくできている。
 VRChatをプレイすればフレンドとのコミュニケーションで『オキシトシン』が生じ脳内は人間とつながりが持てて楽しい感情に満たされるのである。またUnityでも複雑な作業の末にやっとの思いでアバターの改変に成功すると次はみんなもよく聞く『ドーパミン』という快楽物質が出る。仮にUnityわからんと言った具合にうまく改変してアップロードできなかったとしてもまたフレンドが教えてくれたり、一緒に調べてくれたりすることで交流し繋がりを強めまた『オキシトシン』が脳内に生じ、楽しいや嬉しいに満たされるのである。
 Unityをしなくてもゲームワールドも同じである。ゲームをクリアして達成感を得るだけでなくフレンドとみんなでわいわい交流しながらやるから楽しいのである。
この何かを達成して生じる『ドーパミン』と人との交流とつながりで安らぎを得る『オキシトシン』の二つを同時に満たす娯楽は少ない。あるにはあるのだが、一人暮らしの一人の部屋で1つ娯楽でこの二つ快楽を同時に満たす方法や代替はほとんどない。よってVRChatをついつい止められなく夜更かししてしてしまう人が後を絶たない。
 そして文字通り『寝ながらVRChatをしている』のである。

 筆者の個人的意見であるが、数多くあるソーシャルゲームの中でVRChatの特筆すべき魅力と優れている点はメタバースやVRの最新ゲームであることではないと常々考えている。
 多くのソーシャルゲームは課金でガチャを回し、そして大当たりのSSRなどを引き当てた喜びを得てその優れたキャラクターやアイテムを使い楽しんでいる。ただその遊びには限度がある。
 それは優れた珍しいキャラを引き当てたら、次はもっと優れた性能を持ったキャラや珍しいキャラを引き当てなければ面白くなくなっていくという点だ。
 この問題を解決するにはキャラクターやアイテムのインフレは避けられない。つまりどんどん数値などが高いキャラクターを作らないといけないと言うことだ。しかもインフレには限界があり、ゲームバランスを壊しかねない。もちろんゲームバランスが壊れればユーザーはなれてしまいサービス終了となるだろう。

 一方VRChatもアバターのポリゴン数を増やしたり、ハイクオリティーのワールドの制作が可能になるなどインフレは起きているもののゲームの本質はそこにはない。
 ゲームの本質はユーザー同士の交流である。
 VRChatにも軽いガチャみたいなシステムがある。例えばランダムでワールドを表示するなどだ。ランダムで表示された中で偶然良いワールド見つけると嬉しくなる。これは小さな喜びではあるがその他大勢のソーシャルゲームと同じ種類の喜びだ。ただその喜びを簡単にフレンドに共有できるところが非常にうまい仕組みだと思う。共有して一緒に行って遊ぶ。小さな『ドーパミン』よる快楽であってもすぐに別の違った喜びである人との交流で生じる『オキシトシン』に繋げられる。この円滑なバトンの流れは凄いとしか言いようがない。
 しかもこの、人との交流で生じる喜びはインフレをほとんど必要としない。
例えば、母親が赤ちゃんを抱いて100回目には飽きたと言って抱かなくなるだろうか?そんなことはなく何人目の赤ちゃんでも、何年、何十年、死ぬまで飽きることは無い。
 ガチャのよう『ドーパミン』が生じるだけでなく脳内物質『オキシトシ』の2つを利用したゲームであるという点がユーザー離れが少なく古参が多い所以であると考えている。現に私も2018年5月からVRChatを長きに渡ってプレイしているユーザーの一人だ。

 VRChatの魅力としてメタバースやVRなど新しいものに目が取られがちだが、メタバースやVRなどは手段に過ぎない。
 VRChatに毎日のようにハマる魅力は自宅で一人でも同時に二種類の楽しさを味わえることと、先ほど説明した通りで小さな喜びでも簡単に別の大きな喜びにスムーズに繋げることができるところではないかと考えている。

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