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【手品】システムの考察

障害などについて、書いて来ましたが、今日は僕の趣味のお話をしていこうと思います。
僕はマジックが趣味なんです。特にカードマジックが好きで、数学的な性質もありつつ、練習のしがいもあって、とても面白いんですよ。

今日はカードマジックのシステムというものについて考えたことを、まとめて書いてみようと思います。

* システムの意味と使い方

システムとは、カードの順番に規則性を付けて、一枚次のカードが分かったり、選んだカードが何枚目にあるか、分かったりするためのものです。

バラバラにしたカードを広げて見て、52枚の順番をすぐに覚えられたらそれで良いですが、さすがに無理なので、規則性を付けて覚えるのです。

また、カードの表記を今回の記事では

ダイヤ ♢:d   クラブ ♧:c
ハート ♡:h   スペード♤:s

として、ランクの10は T とします。
カードの名前を ランク/スート つまり、
スペードの3は 3s ハートのジャックは Jh
というように書きますね。

システムを使ってマジックをする場合、規則性を保たせるために、シャッフルしたフリ(フォールスカットフォールスシャッフル)を併用することが多いです。→僕の動画

このようなシャッフルができるとなお良いので、システムを使ったマジックをしたい方は、調べて練習してみることをオススメします。

さて、システムをどんなときに使うのかですが、分けたところのカードを当てたり、セレクトカードが何枚目にあるかを計算することができるので、色々なマジックに応用することができます。

しかし、どんなマジックに利用できるかを、このブログに載せるのは気が引けるので、皆さんに考えて頂くとして、簡単なシステムの例を紹介しますね。

* サイステビンスシステム

Ad 4c 7h Ts Kd 3c 6h 9s Qd 2c 5h 8s Jd
Ac 4h 7s Td Kc 3h 6s 9d Qc 2h 5s 8d Jc
Ah 4s 7d Tc Kh 3s 6d 9c Qh 2s 5d 8c Jh
As 4d 7c Th Ks 3d 6c 9h Qs 2d 5c 8h Js

文字化けではないですよ(笑)
このサイステビンスシステムはとても有名なシステムで、新品の状態からシャッフルをする動きでこの形にするのも、そこまで難しくなくできたりと、かなり重宝するシステムです。

【規則性】

これは公差が3の等差数列をなすように並んでいます。
1(A)の次は+3して4、その次はまた+3して7!という具合です。

特に3ではなくても、素数の13は13の倍数以外の数と全て互いに素なので、問題ないんですが、11の次に1、12の次に2、13の次に3となるので、このループする際に3は計算しやすいと感じます。

そして、スートは
ダイヤ→クラブ→ハート→スペード
を、繰り返しています。
ダクハスと覚えましょう!
ハスダクとかハクダスとかで覚える人もいますが、ダクハスは、ダークホースとも覚えられるので、僕はこれを使っています。

メリット
・とても覚えやすい
・システムを組むのが簡単
・カット可能

デメリット
・規則性がバレやすい
・広げると赤黒交互に並ぶ

なんと言っても覚えやすくて、とても良い!
そして、前半の26枚と後半の26枚がメイトカード(数字と色が同じカード)になっており、2回のパーフェクトシャッフルで、フォーオブアカインドがすべて揃うので、次にそう言ったマジックをすることもできるのです。

カット可能というのは、最後(ボトム)のスペードのジャックの次のカードは、スペードの次なのでダイヤ、11の次なので1であるべきですが、しっかりトップカードがダイヤのエースなので、どこかで分けて、その位置を入れ替えるカットという動作を何度でも行うことができるのです。

【デメリットの解消案】

よく考えてみると、等差数列である必要は特にありません。

A,4,7,T,K,3,6,9,Q,2,5,8,J(,A,4…)

という並びを覚えるのに、等差数列という規則を使っているだけです。

ですから、13枚を語呂合わせなどにして覚えられる方法を自分で考えてみるのも面白いです。
有名なので言うと「極道親父システム」というものがあります。

まず、語呂合わせを覚えましょう。
極道親父を兵隊にしろ奥様一悩み

何回か口に出して言いましょう

極道親父を兵隊にしろ奥様一悩み
ごくどー親父を兵隊にしろ奥様ひとなやみ
5,9,T,K,J,2,4,6,Q,A,7,8,3

おお、3回目で数字に見えましたね(*⁰▿⁰*)
親父をキング、兵隊をジャック、奥様をクイーンにしているところに注意です。

しかし問題なのは、等差数列よりも断然、赤と黒が交互で並んでしまうことですよね。
これはかなりの妥協になりますが、スートだけバラバラにするという方法もあります。

つまり、サイステビンスシステムでダクハスの規則だけ抜くとこのようなマジックができます。

引かれたときに、その上のカードが例えば5だと分かったら、セレクトカードは8であることだけは分かるわけです。
そのまま中には戻させず、セレクトカードを胸に当てさせるなどして、残りを表向きに広げます。この表向きに広げた理由付けとしては両手を使ってそのカードを読み取ろうとしたりすると良いでしょう。そして、広げたカードの中から密かに8を3枚探して、セレクトカードのスートを消去法で考えて当てましょう。

表向きに広げる以外にも
「顔を見ると簡単なので目隠しをします」
などと言って、ファンを顔の前で広げながら探すのも良いと思います。(その際は少し横を向いた方がリアリティがあります)

* オリジナル「国は素人」

Qs 2s 8h 4s 6h Ts Kd Qh 2h 8s 4h 6s Th
Ah Jh 5s 9h 7s 3h Kc As Js 5h 9s 7h 3s
Qc 2c 8d 4c 6d Tc Kh Qd 2d 8c 4d 6c Td
Ad Jd 5c 9d 7c 3d Ks Ac Jc 5d 9c 7d 3c

僕のオリジナルシステムです。名前が政治的な思想みたいですが、ただの語呂合わせです(笑)

これは、言われたカードが何枚目にあるか言うマジックや、言われた枚数目のカードを言うマジックに使えます。しかも、見た目ではかなり規則性が分かりづらくなっていると思います。

【規則性】

まず、キングは例外でダクハスの順で
7,20,33,46枚目にあります。

他は「国は素人:Q2846T」の並び順のみ覚えれば、あとは単純な計算で求まります。

クラブかダイヤなら+26

奇数なら+13
また、ここで奇数ならば13からそのランクの数を引き、ここからはその答えとなる数字で色も反転させたカードとして考えます。
また、5678ならば色を反転させて考えます。

赤なら+7

Qなら+1 2なら+2 8なら+3
4なら+4 6なら+5 Tなら+6

そして、全てを合計した枚数目にあります。

奇数による色反転は、僕は「奇数は反対!」って感じがして考えやすかったので、入れたんですが、無しにしても充分バラバラに見えます。

また、わざわざ奇数の時に13から引くのが面倒な人は、AJ5973なので「アジャコング並み」と覚えましょう。

少し例をやってみましょう。

(1) スペードの6
クラブ・ダイヤでもなく、奇数でもない +0
5678は色反転→赤なので+7
6なので+5 よって、12枚目

(2) ダイヤの5
ダイヤなので+26 奇数なので+13
そして、13-5=8 色を反転させて黒の8
5678は色反転→赤なので+7
8なので+3 よって、49枚目

(3) 38枚目のカードは何か
26+7+5なので、
ダイヤ・クラブで赤く、Q2846Tなので 6
しかし、6は色が反転するので、クラブの6

というような感じです。
慣れるとかなり早く計算できます。

メリット
・見た目がほとんど怪しくない
・完璧に何枚目が何か把握できる
・覚える語呂合わせは少ない

デメリット
・人によっては計算で頭が痛い
・カット不可
・システムを組むのが面倒

なんと言っても、正々堂々広げてもほとんどバレないのが良いところですが、カットやシャッフルができないので、前述したフォールスカット・フォールスシャッフルをしっかりと使ってください。
ボトムカードにクリンプ(折り目)をつけるとカットさせてから戻すことはできます。

また、パーフェクトシャッフルを2回すると、25,26,27,28枚目にキングが揃います。このシステムでのマジックを一通りしたら、キングを4枚使うマジックなどに移行すると良いと思います。

最後に、今回は紹介しませんでしたが、ネモニカスタックに代表されるメモライズドデックと呼ばれるジャンルの、1〜52の数字と一枚一枚のカードを対応させて、全て覚えておくというタイプのシステムはかなり難しい分、最強です。

オリジナルのシステムを考えるのも楽しいですし、どんなマジックに応用できるか考えたりするのも面白いですね。
システムは普通、最初から組んでおくのが一般的なので、システムを使ったマジックを初めにやってみて、そこから発展させていくルーティン(マジックの演目の構成)を考えてみるのも良いかもしれません。

皆さんが少しでも手品に興味を持っていただけたら嬉しいです。

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