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日記)仕事をさせてくれ。薬剤師の仕事をさせてくれ。

こんばんは。薬剤師のいしまるです。

本日の内容は、珍しく日記です!
というのも、直近でショッキングなことがありまして…。私、薬剤師なのに薬剤師させてもらえないんです。

この話題は5月8日の夕方から、本日こうして日記を投稿するまでのおよそ10日間の記録です。

Twitterでは既に散々騒ぎ散らしたので、「毒吐きたい〜!!」とか「誰か慰めて〜!」という気持ちで書くわけではありません!あくまで備忘録。そしてこういうこともあるのだという認識で読んでそのまま閉じていただけたらと思います。

(その節はTwitter界隈の皆様、労いや同情、怒り、悲しみのコメントありがとうございました。ツイートのリンクが貼ってあります。是非リプ欄にあるアツイ言葉を見てほしい。)


事の発端は、当社社長より受けた一本の電話だった。

5月8日 17:30〜
社長「今しがた本部から電話が来たんだけど、なんか医院と揉めてる??」

(...全く寝耳に水でした)

私「いや、特にそんなことはないですが、どうされたんですか?」

社長「本部(FC親会社)に○○薬剤師会の篠山さん(仮名)から連絡が入って、医院の先生が『あの薬剤師を黙らせろ。毎日毎日余計なことで問い合わせが来て迷惑だ。やれ添付文書と違うだの、保険請求上問題になるだの。もう散々。患者にも余計なことを吹き込んで迷惑している。これじゃあ薬局とはやっていられない。』といっているそうなんだけど。」

私「もちろん疑義照会はしますが、不要な問い合わせをした覚えはありません。どれも薬剤師として必要な問い合わせです…。」

(私は社長にこう反論しつつ、過去を振り返り、医師からクレームを受けた事例を思い返した。)

ー疑義照会についてー
①通常1日1回で処方されるホルモン剤が1日2回になっていることを間違いではなく敢えてか?
→そのままでよい。承知の上。

②ピロリ菌の除菌は通常抗生剤2種を併用するが、1種類且つ上気道炎に用いられる量しか処方されていない。(添付文書を持って診察室まで話し合いに出向く)
→ワーファリンを内服しているため1種類で良い。
⇒抗生剤によるワーファリンへの影響は食事による影響と大きく変わるとは思えないが…。
→ピロリ菌が除菌できないならそれでいい。ワーファリンに影響を与えたくない。

③感冒症状に対して処方された抗生剤の用量が明らかに足りない。処方の量は15kgの小児に対する量と同等だが、患者は若い40代の女性で用量が過少。(これでは効果が得られないばかりか耐性菌を生む可能性がある。)
→そのままで良い。承知の上。
ー患者指導に関してー
①複数適応がある薬剤に関して、患者さんが薬効を理解していなかった。
→何に対して出ているのか聞きましょう。

②コンプライアンス不良でちゃんと薬を飲むのが難しい患者さん、または薬をたくさん飲んでいて減らしたいと希望している患者さん。
→配合剤もあるので相談してみましょう。もしかしたら複雑な飲み方になっている薬を整理してもらえるかもしれません。

③PPI、ビタミン剤、整腸剤、消化管運動調節薬の長期処方患者
→調子が悪くないのなら減らせる薬かもしれません、必要性について相談してみましょう。

④インスリンの空打ちを行なっていない患者さん
→ちゃんとインスリンが打てる状態にセット出来たか確認するために、毎回空打ちをしましょう。

…ふむ。やはり間違ったことは言っていない。

その日はもう遅かったため、翌日社長よりDrに直接ことの経緯を尋ねてもらうことに。(謝罪を兼ねて)

思い返した事例については、電話の後LINEで社長に共有した。


翌日、5月9日 9:00〜
社長「どうにもこうにも、一方的にいろいろ言われて、『そういうことですから。今後お宅に処方箋を持ち込まないよう患者には自宅近くの他の薬局を使うよう話します。全てはあの薬剤師のせいです。あれはコミュニケーションが取れないのか?自閉症か?医院内では専ら自閉症薬剤師ということで話が通っている。とにかく話にならない。私はやるからには徹底的にやりますから。今までお世話様でした!』といって切られてしまったんだよ。気分を害した点は、疑義照会が多いことと患者さんにいろいろ吹き込んでいること、あとはお願いを聞いてくれないことなどがあげられていたけど、今後の関係修復に向けた話については聞く耳を持ってもらえなかった。」


(今書いてても腹が立つが、この具体的な病名まで上げて個人を攻撃してくるような言葉は、本当に悲しくなる。医師の言葉としてこれが真っ当とは思えない。ましてこの医師はコミュニケーションが取れないで有名な医師で、門前の関係でありながら顔を合わせたことは2回ほどしかなく、電話にも応じず、アポイントは基本的に断られる。それをどの口が…。)

私はしばらく言葉を詰まらせていた。

社長「とにかく今後は疑義照会は最低限にして、なるべく従うことにしてください。患者さんが来なくなったら店を畳むしかないし、いしまるくんだけじゃなくて事務さんも路頭に迷わずことになるから、その辺もわきまえて行動して。」

私は何故、社長にまで怒られているのだろう。

とはいえ、私も修行のために苦労を求めて遥々この地に来た。ここで挫けてしまうことは簡単だが、立て直しを図る努力はしなければならない。

5月10日
私は週末の時間を使って反省文の手紙をしたためることにした。社長もこれには協力してくれ、大変リッパな謝罪文が出来上がった。

社長が修正ことによって肉付けされた文章には「ひとえに私の人としての未熟さが故」「独りよがりな問い合わせ」「一社会人として恥ずべき行為」という言葉が散りばめられ、これを書くのはまさに苦行であった。筆をもつ手は力んで震え、歯は砕けるのではないかというほど食いしばった。悔しかった。

5月11日
朝から医院に出向き、スタッフの方々に謝罪。
昨日したためた謝罪文を預けてから薬局に出勤。

はじめに医師からの電話を受けた篠山さんに遅めの連絡。ご迷惑をかけたことをお詫びし、今後のアドバイスをいただいた。(篠山さんはこの医師と数年間働いていたことがあり、なにかとよくご存知だった。)

この日から外来の人数を確かめ、電話に怯える毎日が続いている。もちろん疑義照会は怖くて堪らない。(怖いというのは、所謂恐怖だけでなく、自分が弾けてしまうのではないか?砕けてしまうのではないか?心折られてしまうのではないか?という気持ちだったりする。的を得た表現が見つからない。)

来客患者の数は例年と比べ少なくなっているが、コロナの影響を考えると、そう大きくは減っていないように思える。

5月15日
胃酸を抑える薬が2種類同時に開始となった患者さんが来局。どう考えても適切な処方とは思えなかった。仕方なく疑義照会。

返事は「承知の上です。そのままで。」

後になってどんなに調べてもこれは適切ではない。診療報酬も査定されることが確定的であろう症例だったが、この状況下で私にはもう一歩「本当にいいのか?」と踏み込むことは出来なかった。

この件について社長に相談すると答えはこう返ってきた。

「医療機関に対して二度確認することは失礼。一度良いと言われたなら絶対に聞き返してはならない。今回の症例でこういう使い方をする医師であることはわかったはずだ。全ての患者に対して、もう二度と同じことを聞いてはならない。保険上疑義が必要な場合は、疑義照会したことにして記録しておくように。」


私は確信してしまった。
このような薬剤師が横行した時代が、薬剤師の立場をここまで弱くしてきたのだろうと。医師のいいなりで適正使用もくそもなく、患者とも当たり障りのない会話をし、血の通わない虚偽の記録をつけてやっているフリをする。そんな薬剤師が医者と対等に医療を為せるわけがない。薬剤師が6年間大学に通おうと、自己研鑽に励もうと、そういった側面がどこかに残っているとしたら薬剤師の地位は一向に向上しない。

5月18日 24:30現在。
私は今日も社長に対し、求められた通りに本日の来局者数と問い合わせ件数・内容を報告した。
患者さんとの会話はこれまで通りフランクに楽しく、雑談多めで行なっているが、薬剤師としての会話は奪われたままである。
私はこのままここで働いていて良いのだろうか?ここで"オトナ"になることを学ぶべきだろうか?私の夢は…。


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