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読書によってある概念の不在に気づいた話【s2:2話】

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意気込んでいたが、11月は何もできなかった。言い訳はいろいろとある。まずは月初の柔術練習で膝を痛めたこと。これで色々とパフォーマンスが落ちていた。

そして膝の痛みで運動量が落ちたことに加えて気温の変化でメンタルも沈んでいた。11月の前半はほとんど何もできていない。

そんな中で読書をしていた。まずは『メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術』を読んでいたのだが、エネルギーの状態の整理がとても良かった。

本書では身体エネルギーのハイ-ローの軸と、精神のポジティブ-ネガティブの軸で人間の状態を4象限に分けている。とうぜん目指すのはエネルギーがハイで精神がポジティブな状態である。これを本書ではハイ・ポジティブと呼んでいる。

私は身体エネルギーについてはかなり気を遣っているが、メンタルについてはこれまでポジティブになっていたことがほとんどない。つまり、私の問題は圧倒的なネガティブである。ハイ・ネガティブかロー・ネガティブばかりで、力を出せている時は怒りで自分を追い立て、闘争-逃走反応の力で走っているだけだった。

そんな人生は全く楽しくない。人生全般に対するやらされ感が募るばかりだ。そこでよし、じゃあ精神をポジティブにしようと思ってどうにかなる人間であればここまで苦労していない。

ちなみに『メンタル・タフネス』の内容は身体的側面に関してはかなり当を得ているし、具体的である。しかし精神的な側面に関しては前提としているレベルが高く、私のポジティブな情動を引き出すには足りないものであった。心からくつろげる時間をとろうと言われても、そんな経験はほとんどない。基本的にどこにいても、何をしていても不安があるからゲームや飲酒で気を紛らわせることでしかマイナスをゼロに持って行けない。深い人間関係の欠如と言われても、とっかかりがないから苦労している。

どうしようもないと思っていたのだが、本当に行き詰まった時にこそ過去の勉強が活きてくる。天啓のように「これはセルフ・コンパッションの問題なのでは?」と思い、早速『セルフ・コンパッション』を読むことにした。

season1の第1話 で触れた『自信をもてない人のための心理学』は自信のない状態にアプローチするものだが、『セルフ・コンパッション』は自信を失った状況にアプローチする本であると理解している。

セルフ・コンパッションとは何か。本書いわく3つの要素がある。

  1. 自分に優しくすること。自分を厳しく批判したり裁いたりしないで、自分に優しくし、自分に思いやりを持つこと

  2. 共通の人間性を認識すること。苦しみのせいで孤立している、疎外されていると思うのではなく、人生を経験していく中で他者とのつながりを感じること。

  3. マインドフルネス。苦痛を無視したり誇張しないで、自分の体験をバランス良く自覚し続けること。

試しに簡易テストをやってみたら、恐ろしい結果が出てきた。

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