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身近な生物に触れてみよう~第1弾 オオジシバリとイワニガナ~

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本日は、新コーナーの第1弾記事です。身近な生物に対象を絞り、その魅力や見分け方などを、短く紹介していければいいかなと思っています。

この記事を読んで、明日以降の通勤・通学の際に、自然に触れてもらえれば僥倖です。

1. オオジシバリ 

オオジシバリ(学名※1: Ixeris japonicus )は、キク科の多年草です 1)。全国に分布しており、あぜ道や野原など、やや湿った日当たりの良いところに普通に見られます 2)。タンポポに似た黄色い花を咲かせますが、タンポポと比べると、花びらのように見える舌状花※2の数は少ないです 3)。

オオジシバリは、漢字で「大地縛」と書き、これは茎が地面を這っていてところどころから根を出し、まるで地面を縛っているように見えることが由来とされています 4)。

3月~5月程度が良く花が咲く時期で、公園などでも見られると思います。

注 ※1 学名:世界共通の生物の学術的呼称のことで、国際的な命名規約によって規定される 5)。種名は、属名と種小名をイタリック体で記さねばならない6)。ここでは、イタリック体を適用できないため、ローマン体のまま記している。
※2 舌状花:合弁花の一種で、通常はキク科の頭状花序※3につく左右相称の花をいう 7)。
※3 頭状花序:花軸が茎の先端で幅広く広がって、そこに何個もの花が並んでつく形式の花序 8)。

オオジシバリの舌状花
オオジシバリの葉 地面を這う様子も観察できる

参考文献・出典
1)~4):岩槻 秀明 この花なに?がひと目でわかる!新散歩の花図鑑 新星出版社
5)~6):旺文社 生物事典 五訂版
7):小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
8):ブリタニカ・ジャパン ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版

2. イワニガナ(ジシバリ)

ジシバリ(学名:Ixeris stolonifera)は、キク科の多年草です 1)。日本全国に分布しており、主に乾いた野原に生えます 2)。見た目は、とても似ていますが、オオジシバリの葉に比べて、イワニガナのそれは小ぶりで丸っこいようです3) 。

実際のところは、見分けにくいと感じました。なぜなら、小ぶりなのは、成長過程や個体差が考えられ、丸いのは、オオジシバリの中でも楕円に近いような形があったためです。以下の写真で、実際に見てみましょう。

これらは、それぞれ「オオジシバリ」と「イワニガナ」のどちらでしょう。形態的な特徴などから、(生物)種を決定することを、専門用語で「同定する」といいます。難しいですが、やってみましょう。
ちなみに、画面中央には、かわいらしい「カタバミ」が咲いています。

左側の葉を見ると、細長いものが全体的に多い印象です。一方、右側の葉を見ると、小さくて丸めのものが目立つ印象です。

この写真が撮影された場所では、コケ植物が生えていますので、やや湿ったところと考えられます。さらに、周辺に木は存在していますが、ここには影が伸びてきません。

以上のことを勘案すると、この地域に生えている黄色い花は、おそらく「オオジシバリ」であると考えられます。詳しいことは、時間が経過しないと分かりませんが、2種がこの近接した距離で共存することは考えにくく、湿った環境と乾いた環境がこの距離で分かれることも考えにくいです。

このようにして、種を決定していきましょう。なお、間違っていることもありますが、最初は気にせずにどんどん観察していくと、楽しくなってくると思います。

参考文献・出典
1):ブリタニカ・ジャパン ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版
2)~3):岩槻 秀明 この花なに?がひと目でわかる!新散歩の花図鑑 新星出版社

3. おわりに

いかがでしたか。身近な生物に目を向けることで、日常生活が彩られる様子が想像できたのではないでしょうか。

今回は、春の今の時期に見られる、「オオジシバリ」と「イワニガナ」を観察してみました。残念ながら、確定的に「イワニガナ」を見かけたことはありません。

明日の通学・通勤時間に目を向けてくだされば、うれしいです。

この連載の次回は、未定ですが、題材となるものを探していますので、近いうちに公開したいです。

それでは、また次の記事でお茶しましょう。ありがとうございました。

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