そして失恋した

帰国が迫ってきていることが頭から離れず、今を楽しめなくなっていった。彼といても悲しくて、好きなのに悲しくて、息をしていても溺れてるようにくるしかった。
動物園に行っても、悲しませてごめんと手の甲にキスをしてくれても、花を見に行こうと夜桜を見にいっても、トランプをしようと部屋に来てくれても私は今を楽しめず結局最後は彼に未来の話をして会えなくなるって泣いた。
めちゃくちゃうざい女だと思う。
彼はまた冬には日本に逢いに行くよと言ってくれてる、将来は結婚も考えようと言ってくれている、それなのに私はこの恋は終わるって嘆いていた。たぶん信じられなかったのだと思う。彼のことを。彼との未来を。
それが今でも悲しい。
好きなのに、好きだけで飛び込めない自分を感じたし、異国に行って自分の家族ともめったに会えなくなる決断もできそうにないとおもった。彼に対する嘆きは自分に対してだったのかもしれない。
結局恋するって愛するっていいながら保身をとる自分が嫌だ。今でも本当に愛するという意味が分からない。自分を捨ててまで愛することが私にはできない。大変な状況になると思うと結局終わってしまう。
いい思いをさせてくれるから好きなのか?
ときめきを与えてくれて心地よくなるから好きなのか?
自己中心的な自分が嫌だ。もっと崇高な気持ちで愛したいのに、彼を愛したかったのに。
わたしは自分から友達に戻ろうといった、彼もそれがいい選択だと言った。
自分で言っといて毎日泣いた。学校で彼が話しかけてくれると胃がよじれるほど嬉しいのに辛かった。彼は私がすごく納得して別れを言っていると思っているのも辛かった。日本には自分より君のことを大切にして幸せにしてくれる人がきっといるよと言われた。
あなたとなりたかった。なりかった。
幸せに。でも方法がわからなかった。未来を信じてあげられなかった。
帰国する最後の夜たまらなくて彼の寮に行った。好きなことを伝えた。心がちぎれそうなくらい好きだと素直に言った。ただ側にいたいのに言えなくてわざと嫌な態度とったことを誤った。私はわんわん泣いた、彼は君はやっぱり子供みたいだと言った。
優しいキスだった。慰めるようなキスに変わっていた。
もっと早く素直になれればと後悔した。明日からもう一度関係を築きたいとおもった。でも帰国の便が迫りわたしは去った。去る前寮のおばあさんがぐしゃぐしゃの顔の私の顔を見てあなたの思いは私が受け取ったよといってくれた。
帰国して1年ほど夜寝る前に目を閉じれば彼が思い出されて涙が出た。夢中で就活をした。忘れたくて、新しいステージに行きたくて、

それから十数年、わたしはやっとあの恋を心の思い出にしまえそうで、しまえない。のでノートに書いてみた。
聞いてくれてありがとう。
その後のいくつかの恋は心の中で落とし前がついてるけど、彼だけは私の中で忘れられない人。
会えないから余計に輝くのかもしれない人。

#ウィドントトークエニモア 、byチャーリープースの曲を聴くと蘇る思い出。

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