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【BLUE GIANT】4月の足音はドラムソロと共に【新生活】

『BLUE GIANT』観たよ!

 3月から配信が始まった『BLUE GIANT』を観た。見終わった瞬間にまず「映画館で最高の音響で観たかった…」という後悔と、この作品にエネルギーを貰った者として本物のジャズを聴きにいかねば!という想いが湧いた。
 
 主な登場人物として、主人公でありサックス担当の宮本大、ピアノ担当の沢辺雪祈、ドラム担当の玉田俊二がいる。どのキャラクターもとんでもなく魅力的だけど、私には玉田が輝いて仕方なかった。

 大と雪祈は努力家でありながら生まれ持った才能があるようなプレイヤーであるが、玉田はそうではない。元々は大学を機に仙台から上京し、サッカーサークルに入りながらキラキラなキャンパスライフを送りたいという男であった。それが、同級生である大のジャズへのとてつもない情熱にあてられて経験0ながらドラムを始めるのだった。経験もお金もない。学生だから学業だって頑張らなきゃいけない。でも、どうしてもドラムがしたい!うまくなりたい!今しかない!というビュンビュンと音がするような想いで練習に打ち込む姿はめちゃくちゃ泥臭く、汗臭い。バンドに加入できる実力になったとしても、次は人前で演奏をできるレベルにしなければならない。成長したことへの喜びよりも先に次の課題や挫折が襲ってくる。そんな中でもめげずに練習に没頭した玉田は間違えなく大や雪祈とは違う種類の天才であったように感じる。
 そんな玉田の姿を観て、観客のおじいさんが「君のドラムはどんどん良くなっている」、「僕は成長する君のドラムを聴きに来ているんだ」と声をかけるシーンがある。私はこの映画の中でここが一番好きかもしれない。玉田はきっとこの言葉がなくたって頑張ったと思う。でも、自分が頑張りを確かに誰かが見ていて、分かってくれて、想いを伝えようと思うほどのエネルギーを自分が与えたという事実でどれほど報われるかと想像すると胸が熱くなる。

 作中で大人になってからの玉田が登場する。ドラムを続けているのか明言はされていなかったが、生業にしていないのは確かだ。例えもうドラムを続けていなかったとしても、大学時代にドラムにかけた時間はこれからの人生に大きな影響を及ぼしているだろう。社会人…、理不尽なことも、自分の無力さを感じることも多い。玉田が辛いことがあった時にあのおじいさんのことを思い出してくれてたら嬉しい。君がジャズから学んだことはドラムの演奏法だけじゃなくて、君のやることはすべて正しくて、報われるという事実だ。

絶対にサントラを聴いてほしい

 私の周りにいる映画を観た人間はサントラを狂ったように聞いている。私も例外ではない。玉田担当としては玉田のすべてが凝縮された『WE WILL』がおすすめだ。あと、『Omelet rice』は朝に聞くのにぴったり。

 非常に私事で恐縮なのだが、この4月に人生初めての転職をした。業界としては出版業界で変わらないのだが、紙ではなく電子に関わることとなった。働き始めてまだ1週間しかたっていないのだが、精神状態はあまり良いとは言えない。新たな会社に問題があるのではない。応援しているオリックスはめちゃくちゃ負けるし、天気は悪いし、MacBookは使いづらい。在職中はあんなに文句言っていたあの職場も離れてみると良かったように思えるし、なによりも新しいを経験することは怖いし疲れる。そんな私を通勤時間を目一杯使って玉田のドラムソロが応援してくれている。このタイミングで映画『BLUE GAINT』に会えてよかった。私の人生はつくづく素晴らしい神の創造物たちに救われていると実感させられる。

 4月は始まりの月だ。私のように新たな環境に身を置くような人も多いだろう。未知は私たちをいつだって不安にさせるから、まずは着実に知っていること、できることを増やしていこう。ちゃんと湯船には浸かろうね。気分が乗らない朝はみんなでサントラ聴こ!

 またね!

 

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