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子どもと話すときに大切にしていること

教師のクセ

先生方の話を聞いていると「○○しなさい」とすぐに言ったり、生徒が帰りに名札を差し出したら、何も言っていないのに手を差し出したり(うちの学校は名札は学校に置いて帰ることになっている)、など、子どもが考える間を与えることなく答えを言ったり、行動したりしていることに気づきます。

上の例だと、子どもが次に何をするのかを考える時間を与えずに先生が指示をしているし、名札の例では生徒が「名札を預かってください」と言うのが礼儀だと思うのです。何も言わなくても手のひらを差し出す必要はないと思うんですけど。

文科省は「主体的に・・・」と言っていて、職員室でもたびたび「主体的に生徒が行動しない」などと言っていますが、その機会を奪っているのは教師に他ならないと思うのです。

今、ここで教師批判をするつもりはないので、先生のことはこのへんにして・・・。

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョン

質問にはクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの2種類があります。

クローズドクエスチョンは、「はい」か「いいえ」で答えられる質問です。

例えば「今日、朝ごはんは食べてきた?」というのが、クローズドクエスチョンになります。

反対にオープンクエスチョンは「はい」か「いいえ」で答えられない質問です。

朝ごはんの例では「今朝、何を食べてきた?」という質問です。
子どもは「パン、たまご」と答える必要があります。

オープンクエスチョンの大切さ

学校では生徒に動いてもらう場面がたくさんあります。

そうなると先生方は「○○して、次は△△して」と指示を出して、確認のために「○○した?」「△△した?」と質問します。
すると生徒は出来てなくても「はい」と言うわけです。
「はい」という二文字は、言いやすいのです。

後で、作業の状態を見るとできていないと言うことがたくさんあります。
実際にやっていても完成度が低い場合もあります。

だから、私は最初から指示はしません。
「何から始めればいいと思う?」と尋ねるわけです。
すると生徒たちは一瞬考えるのです。
もちろん、何から始めれば分からないこともあるでしょう。
でも、一瞬自分で考えることが、作業の見通しを持つきっかけとなるのです。

そして、作業の確認をするときも「○○できた?」ではなく、「何をしてきたの? 自分のやったことを言ってみて」と尋ねます。
そうすると、やっていないことは言えないし、指示した作業に対するその子の理解度も分かります。
きちんとできていない場合は、子どもと教師側の認識がずれているのがその原因のほとんどです。
わかっていてサボる子はほとんどいません。
たいがい認識のズレです。

「先生が何か言ったけど、なんかよく分からなかったからしなかった」という場合は多いです。

オープンクエスチョンの良いところは、子どもの頭の中が分かるところです。

「○○して」と言う前に「どうしたらいいと思う?」と尋ねて、子どもが考えを大人が知っていれば、そこでアドバイスができます。

しかし、総合学習などでは、ゆっくりと子どもの思考を探りながら指導ができますが、普段の学校生活ではなかなかそうはいかないのが現状です。

それでも、なんでもかんでも指示をしたり、子どもが言わずともフォローをするというのは、私はやめた方がいいと思います。
なんにも考えない子どもに成長するからです。
また、「こういうときにはこう言う」というコミュニケーションスキルの成長もさまたげますからね。
分からなかったら「分かりません、どうやればいいですか?」と言うことさえ、分からない子になってしまいます。

言語化のススメ

忙しいときにはついつい指示を出しがちですが
「どうしたらいいと思う?」と尋ねてみてください。

子どもは考えるはずです。

でも、子どもが考えて、考えたことを言語化するには時間が必要です。
多くの大人は待てません。
沈黙は子どものたいせつなThinking Timeです。
イラッとするかもしれませんが、ゆっくりと待つことが大切です。

発達凸凹の子は言語化が苦手な子が多い

この子は言語化が無理だから・・・と言わずに
その子のペースで言語化を試みてください。

私は、その子が何か言うのをひたすらじーっと待つことがあります。
そういうときは、見当外れなことを言ってもOK!
「なるほど、なるほど」と言語化したことを褒めています。

「○○ができる」という行動を目標にすることも大切ですが、子どもが言語化できるところに価値をおくようにするのをオススメします。






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