ぼくの日常のエッセイ(見知らぬ誰かを祝う)
友人からメッセージアプリなるものを紹介された。去年の秋ごろだったように思う。実際に使用し始めたのは冬になってからのことだったか。
その頃に親しくなってLINEを交換した相手と、未だにやり取りが続いているのだから驚くべきことである。それが半ば、いや十中八九惰性であるとしてもだ。
忘れていた頃、唐突にタイムライン上に「この人は誕生日です」などと表示されるのだから、気になってしまい、結局ぼくはペンを手に取った。
「誰かの誕生日に自作の絵を送る」という、如何ともしがたい趣味を持つぼくは、誕生日を迎えた友人に片っ端からイラストを送りつけている。はた迷惑なゲリラ活動ここに極まれりという感じだ。送られた側はおおよそ嬉々とした文面を書いて寄こすが、腹の内でありがた迷惑と思っているやも知れぬ。
なら描くな、と言われるであろうがこれも一種の自己顕示なのかもしれない。
手早く描き上げたその絵は笑っているような、困っているかのような、まさに受け取り手の心持ちを表しているかのようだった。
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