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とても助かる優しい考え

先日、私はある台詞にとても驚かされた

私の生活には沢山楽しみがある
友人と通話しながら何かを作ったり、ぬいぐるみを可愛がったり
好きな歌詞や台詞をメモして集めることも心地が良いし、映画や料理もかなり好きだ

少しずつ家のインテリアを好みに変化させていくのも、自分達の城を完成させていくようで面白い
また、恋人と特撮作品を観るのも日々の楽しみの1つになっている

同棲している恋人は特撮作品が全般好きで、ウルトラマンや仮面ライダーの公式サブスクを利用している
それのお陰で、サブスクに登録されている過去作品をいつでも観れるのだ

そこで私達は、夜の2人の時間を特撮を観る時間に充てている
食後、毎日4話程一緒に観進める
残りの時間は自由にまったりと過ごす
私の平日の夜は大体こんな感じだ

この遊びのお陰で、私にも好きな特撮作品やキャラクターが出来た
自分1人では触れない文化をオススメしてもらえると、たまに思いもよらないお気に入りが生まれる
ありがたいことだ

そんな日々の中で、凄く衝撃を受ける台詞に出会ったのだ
それは、最近新しく観出した『仮面ライダー剣』に登場する白井虎太郎というキャラクターが、何気なく言い出したことであった
因みに、白井虎太郎は主人公と一緒に暮らしている一般人だ

※以下台詞のネタバレ注意

見てよあの大都会を。
あそこに居る皆が、全員が何か怖いものがあったり不安を抱えてるんだよ。
将来への不安、家族への心配、病気への恐れ…。
だからいいんだよな人間って。
頭の上にチョコンと恐怖心や心配を乗せてるから愛おしいんだ。
怖さを知らない人間は一生懸命生きないよ。
心配の無い人間は人を好きになんない。
何か俺、そう思うんだよね。

この台詞

私には、答えも意味もない心配事に思いを巡らせる悪癖がある
それもあり『現在進行形で答えのない悩みを抱え続ける行為』を肯定し、その上そんな人間を『愛おしい』と表現することにとても驚いたのだ

負の感情についてポジティブに表現する台詞自体は、他でもざらに存在する
例えば「苦しみを知っているからこそ優しくなれる」や「誰しも不安を抱えている」等はよく耳にするフレーズだ

特に前者なんて、言いたいことのニュアンスは白井虎太郎と結構近いだろう
ただ、これは過去への肯定として使われる場合が多いように感じる

また、後者の「誰しも不安を抱えている」は、実際に使用される際は「だから気にしなくて大丈夫」という意味がかなりの頻度で裏に隠れている
むやみやたらに使ってしまうと、問題の矮小化に繋がる言葉だ

やはり「今まさに不安を抱えています!」なんて場合は事をネガティブに表現されがちだと思う
良いように表現されても「そういうこともあるよね、いいんだよ」が関の山だ

なので私は『不安というものは、過去になり強さや優しさに昇華されない限りは悪と判別するのがメジャーなんだな』と認識していた



「そっか、それで大丈夫なんだ…」
白井虎太郎の台詞を聞き、私はつい呟いた

解決出来ない負の感情を大切に抱えて悩んで、それに意味がある
それが自分という人間の愛しい部分の1つ
そう思えたことで、心の何かがストンと落ち着いた

私は正直今まで不安を抱えることそれ自体についてこんなに考えたことがなかった
なのに漠然と『自分の癖は治すべき欠点なんだろうな』と感じていた
無意識に不安に対しての認識がネガティブになっていたのだと思う
しっかりメジャーな人間の内の1人だ

不安が一生懸命さに繋がるのだとしたら、その先できっと幸福にも少しは繋がる
何だか少し軽やかな気分になった

私はこれからも無駄なことについて悩み、恐れ、困り果てることもあるだろう
そんな時はこの驚きをお守りにして、負の感情を抱えたまま過ごしていこうと思う

きっと以前よりもそんな自分を抱きしめることが出来る

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