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ちょっと気になったデザイン 2022年10月

こんにちは、ちょっと株式会社CDOの久保田です。

急に寒くなったり、思い出したかのように暑くなったり気温が安定しない10月でした。
秋ってもっと過ごしやすい季節な印象があるんですが、なんか今年の秋はちょっと気持ちよくなかったです。
今月も気になったものをピックアップします!


Netflix・JR東日本『黒い山手線』

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山手線を使用しないので実際に見掛けたことは無いのですが、SNSを中心に話題になっていました。
あのグリーンな山手線を黒く染める・・・。これまでのADトレインでは考えられないスケール感がありました。

この「黒い山手線」キャンペーンはNetflixとJR東日本のコラボ企画です。これが実は重要。
山手線なのでJR東日本は“媒体提供者“であって“広告主“ではありません。しかし今回は「鉄道開業150年記念」と称してNetflixとコラボしてキャンペーンを実施した・・・って体裁になっています。
ややこしいですが、これまでのADトレインとは全く違います。

理由は東京都の条例を回避するため。
条例では電車の外面の広告表示面接は10分の1以下と定められていて、ラッピング広告って言ってもドア横くらいしか広告を掲載できないルールになっています。
ちなみに路線バスは10分の3以下。屋外広告には細かいルールが定められています。

条例準拠で行けば山手線グリーンの上に黒地を敷いてNetflixロゴがドア横に貼られるだけ。
しかし今回は媒体提供者が山手線を黒くするって超大技を展開。そしてNetflixがそこに便乗して赤いロゴを掲載してます。
かなり大掛かりな座組みを実現させたから出来る条例回避、エグいです。

にしても話題になるのが当たり前のようなカッコよさです。
たった1編成のみにしてスペシャル感/レア感も作りつつ、年末まで長期間運行させる展開力(資金力?)も凄いなと。


ロート製薬『目の愛護車両』

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続けて鉄道ネタをもう1つ。

10月10日は「目の愛護デー」。
その日は「体育の日」って言っちゃう世代です。今は「スポーツの日」だそうです。

目に優しい広告でトレインジャックを実施した10月15日までの期間限定プロモーション。
定着しているロート製薬のコーポレートカラー(青)は使わずに目に優しいオールグリーンで統一。
おそらく文字情報は全て白抜きに統一されているので、可読性を考えるとグリーンの彩度や濃度が超重要。ただ1色のシンプルな広告ですが、このグリーンの発色にデザイナーは相当苦労したんじゃないかなと想像。

あと中吊りのメッセージも「広告見るよりも窓の景色を眺めましょう。」「もう広告なんか見ずに目を閉じて休めてくださいな。」などユーモアあふれるコピーが使われていました。

毎年ロート製薬が目の愛護デーに面白いプロモーションを実施されています。
これまた面白い特設サイトも公開されていて、去年や一昨年のプロモーションも軽く見れたりします。おすすめ。

しかしコロナ禍のピーク時、電車の広告がガラガラでスカスカな惨状を目の当たりにしていたので、こうやってトレインジャックやADトレインが戻ってきたことが嬉しく思います。


『FUDGE』と『men’s FUDGE』の表紙

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多く語ることはありません。(サイトはこちら

このコラボは素晴らしいなって感動したのと、そのシーンをそのまま使うことに強いリスペクトを感じたこと。そして、それぞれ単体でも表紙として成立しているデザイン。

このアイデアに辿り着ける発想力
破綻させず魅力を引き出せるデザイン力
それを実現させる実行力

やっぱ雑誌っていいな。やっぱ雑誌デザインが好きだ。と改めて。
記事などの内容に興味を持って買うのではなく、ディスプレイすることが購入動機になっちゃうのも雑誌ならではだと思います。

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我が家の書棚にもしっかりお迎えできました!


東京グローブ座『盗聴』のグラフィック

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駅構内に掲示されている大型ポスターを見かけて、なんだろう??って足を止めてしまったくらい目を惹くビジュアルでした。

俳優の3名とタイポグラフィを組み合わせたビジュアル。なんとなく「盗」の字は判別できたくらいで、正直タイトルは読めませんでした。

可読性の観点で見るとアウトですね。
勝手な想像ですが、これはデザイン担当者が「読めなくていい」って割り切ったんだと思います。

公式サイトだとタイトルロゴのタイポグラフィがしっかり確認できます。
文字と目鼻口のシンボルを組み合わせた面白いデザインです。

面白そうだなって雰囲気が伝わるビジュアルでした。
公式サイトのデザインはもう少し面白くできたんじゃないかなぁって思いましたが・・・


・・・


ぼちぼちクリスマスや年末の気配が感じられる時期になってきました。
暗い雰囲気が2年ほど続きましたが、今年は華やかな色彩が戻ってくるでしょう。
少し周りを見渡してみるだけでインプットできるネタがたくさん溢れているシーズンになってきました。

それでは。

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