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人生最高の春の宵 〜村上春樹×川上未映子 朗読会③
前回のつづきです。
クロストークとギフトリーディング
朗読のあとは、村上さん、川上さん、小澤さん、村治さん4人によるクロストーク。仲がよさそうな4人のおしゃべりは、聞いていてとても微笑ましいです。冒頭、小澤征爾さんを偲んで、小澤征悦さんも登場する、村上さんと小澤征爾さんの思い出話を村上さんが披露してくれました。しんみりさせず、笑顔で終わりにする心配りとセンスがすばらしかった。
最後は、川上さんからのギフトリーディング。『ノルウェイの森』の下巻、緑色の表紙の文庫本を手にした川上さんが、直子からの手紙を朗読します。前半の朗読と同様、まるで直子が手紙を読んでいるみたいでした。なんてすてきなんだろう。
この手紙は、2019年12月17日に新宿南口の紀伊國屋サザンシアターで開かれた「冬のみみずく朗読会」でも、川上さんが朗読したそうです。
「……鳥もウサギも元気です。さよなら」
この締めくくりが好きで、調べていたら、「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー、作家の延江浩さんのコラムに行き着きました。ユーモラスな猿のセリフで会場が笑いに包まれた、という村上さんの「品川猿の告白」の朗読、聞きたかった!
写真撮影
最後に、SNSへの投稿OKの写真撮影の時間がありました。カメラを向けるのに抵抗がありつつも、おずおずとスマホで撮影。ここでも4人のチームワークのよさを感じます。
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朗読会でつながることの価値
終演後、早稲田大学特命教授/早稲田大学国際文学館顧問のロバート キャンベルさんの挨拶がありました。その内容がすばらしかった。Xでも同じ内容が投稿されていたので、ご紹介します。
声に出され読まれた2作品を知っているのは、講堂に集った人たちだけです。戦争が続き、苦しいさなかに声が上げられない、言葉も届かない人々が日増しに増える今の世界では、小さな試みではあるが、声と耳によって一つの景色に向かい、共に思いを馳せることの愛おしさやその価値は、計り知れません🦉
— ロバート キャンベル (@rcampbelltokyo) March 1, 2024
ロバート キャンベルさんの後ろを、村上さんが舞台袖からとことこ歩いてきて、原稿を手に取って戻る姿がかわいかったです。ロバート キャンベルさんが後ろを振り向き、舞台袖に戻る村上さんに自然体で「あ、村上さん、ありがとうございました」と声をかけるところも。
川上さん、村上さんのファッション
川上未映子さんは、ソファに座っても、ハイチェアで朗読していても、歩いても、何をしていても佇まいが美しかった!裾がひらひら揺れるアシンメトリーのワンピース、とってもお似合いでした。ソールが赤だったので、靴はおそらくルブタン。こちらも川上さんにぴったり。あまりにすてきで、お友達に教えてもらった川上さんのおしゃれにまつわるエッセイ『おめかしの引力』をすぐ購入しました。
村上春樹さんは、ネイビーのジャケット、ブルージーンズ、スニーカー、グレーのロゴTシャツという出で立ち。2022年のBRUTUSの表紙みたいな、イメージ通りのスタイルでびっくり。スニーカーがかわいかったです。真似したい!それにしても、こんなにカジュアルなおしゃれが似合う75歳がほかにいるだろうか。
朗読会のあとは
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お互い万感の思いを抱えて、お友達と近くのお店へ。カフェバーに入って乾杯し、感想を話し合います。
聞いたばかりの新作の感想、新作のエピソードが最近の出来事にシンクロしていること、どうやって朗読会向けの作品の着想を得たのか、私たちと同世代の俳優 杏ちゃんのエッセイに村上さんが解説を書いていること、川上さんが村上さんの懐に入り込んでいるすごさ、村上作品にも身近な現実にも潜む女性蔑視とフェミニズム、読書会の計画ーーー。金曜日の夜ということもあって、遅くまで話し込みました。なんて幸せな春の宵。この日は、人生の宝物のひとつになりました。
おまけ
参加者に配布されたステッカーと物販購入品のご紹介です。
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