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Notionでタスク作成〜機能リリースまでの流れを一元管理

最近ひたすら社内で使っているNotionを整備していました。
色々やったのですが、データベースを一元化して管理コストを減らし、更にタスクごとの原価を見える化した例をご紹介します。


整備前に抱えていた問題

私が今お手伝いしておりますタイムクラウド社では、 TimeCrowd というタイムトラッキング(作業時間を記録)するSaaSを提供しております。

整備前は以下のデータベースがNotion上に存在しました。

  • TODO
    個人タスクを格納するDB。

  • 顧客要望、改善要望
    お客様からいただいた声や内部で上がった改善案を格納するDB。
    このDBに挙がっている要望を精査し、実際に開発するか検討。

  • 開発ロードマップ
    開発が決定した機能をロードマップ形式で格納するDB。

  • 機能一覧
    プロダクトの機能を格納するDB。

  • 議事録
    ミーティング内容を記録しておくDB。


しかし、このデータベース構成ですと重複するレコードが乱立し、NotionページからNotionページへのメンションの貼り合いになっていました。

なんとか整理出来ないか考えていたところ、前述の5つのデータベースは一連の流れになっていることに気づきます。

これ、すべて1つのデータベースで管理できるのでは…?
ということで、一元管理していきます。


データベースを一元管理して嬉しかったこと

  • 1つのタスクのラベルを変えるだけで多方面に展開できる

  • 各フェーズの履歴が残る

  • 多重管理になる心配がない

  • タスクURLに紐付けたTimeCrowd打刻をチームで行うことでタスクごとの原価が分かる


具体的な整備内容

大元のデータベースは1つ、タスクのステータス変化に伴い見せ方を変えて別のビューで表示する。
具体的にはTODOデータベースの「種別」プロパティ(マルチセレクト)を変更することで以下のビューに割り振るように設定しました。

作成したビュー

  • 種別なし: 各メンバーページに表示する、メンバーごとのTODOビュー

  • 種別「要望」: 顧客要望、改善要望ビュー

  • 種別「開発決定」: 開発ロードマップビュー

  • 種別「リリース済み」: 機能一覧ビュー

  • 種別「議事録」: 議事録ビュー

元々分散していたデータベースとほぼ同じ構成です。


大元のTODOデータベース

ものすごい件数がある

大量のレコードがゴチャ混ぜに入っています。
この大元のデータベースのビューは基本的に見ないし触らないと割り切りました。


メンバーごとのTODOビュー

メンバーごとに用意されたメンバーページにメンバーごとのTODOを表示

TODOデータベースを参照。
フィルターは「各メンバーがアサインされているか」です。
このページは私(chorolling)のページですので、chorollingがアサインされているTODOを表示する設定になっています。
この中のタスクでミーティングが発生したり、改善要望などへと繋がったものは適宜「種別」プロパティを変更します。


顧客要望、改善要望ビュー

課題がいっぱいです。着実にこなしていきます。

TODOデータベースを参照。
フィルターは「種別」プロパティに『要望』が含まれるレコードを表示するようにしています。
この要望一覧を見ながら各部署のマネージャー陣で話し合い、優先順位付けをしたり開発に移るものを決定していきます。
このように各要望ごとにミーティングが発生した場合は「種別」プロパティに『議事録』を追加し、ページ内に議事録を記述します。
開発することが決まったレコードは「種別」の『要望』を『開発決定』に変更することでこのビューからは消え、開発ロードマップビューへ移動します。


開発ロードマップビュー

TODOデータベースを参照。
フィルターは「種別」プロパティに『開発決定』が含まれるレコードを表示するようにしています。
このビューに表示されたレコードをディレクターがロードマップ形式で必要項目を埋め、要件定義をしたり仕様書を作成します。
仕様が固まったら開発チームへ共有し、開発チームはGithub上で開発を進めます。
開発が終了し、無事リリース完了したら「種別」プロパティを『リリース済み』へ変更することでこのビューからは消え、機能一覧ビューへ移動します。


機能一覧ビュー

TODOデータベースを参照。
フィルターは「種別」プロパティに『リリース済み』が含まれるレコードを表示するようにしています。
一連のタスクが最終的にリリースされ、機能一覧として蓄積されます。
一元管理していますので、その機能の初期構想から着地点までの履歴が確認可能になります。


応用編

更に応用していきます。
ここまでの説明では「種別」プロパティによる出し分けのみでしたが、例えば部署ごとにページを用意してある場合、「部署」プロパティを設定することで部署ごとのTODOや議事録のビューを部署ページに表示させることも出来ます。

部署ページの一例


Notionタスクごとの原価管理

TimeCrowd のChrome拡張では、Chrome上で開いているURLに紐付いたタスクの打刻が可能です。

Notionページに紐付いた打刻

打刻したいタスクのページを開いた状態でTimeCrowdのChrome拡張を開き、打刻の追加をするとNotionページのタイトルがTimeCrowdのタスク名として自動入力されます。
これによって、同じタスクを複数のメンバーで打刻することが可能となり、チーム全体の稼働時間、人件費原価を把握することが出来ます。

手動入力も可能です


稼働時間と人件費原価を確認

TimeCrowdのレポート画面ではタスクごとにかかった時間とそれによる人件費原価が閲覧できます。

レポート画面の一部


タスクごとのNotionページ、メンバーの作業履歴を確認

タスクの詳細画面では紐付けたNotionページへの遷移や、メンバーの作業履歴の閲覧が可能です。
TimeCrowd上で「このタスク、具体的にはなにをしているの?」と思ったらNotionページへ遷移して確認することが出来ます。


Notion上のタスクを整備したことで必要な情報へ迷わずアクセス出来るようになりだいぶストレスが軽減されました。
また、TimeCrowdでの打刻も重複が減り、タスクごとの人件費原価がより正確に出せるようにもなりました!
今後もNotionを活用していくので共有出来ることが増えたらまたご紹介します。

コーヒー飲みます☕️